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本田圭佑 7年前

本田圭佑がパチューカで掴んだ絶対的信頼。幅広い起用法、実力の証明たる柔軟性

text by 河治良幸 photo by Getty Images

ポジションにとらわれない柔軟性。日本代表復帰への重要ポイントに?

2:[4-3-3]の右インサイドハーフ

 当初は基本ポジションになることも想定されたが、ビクトル・グスマン、ホルヘ・エルナンデス、エリック・グティエレスとメキシコ代表クラスのトリオが揃うため、オプションにとどまっている。相手のプレッシャーが比較的少ない位置から攻撃を組み立て、機を見てゴール前に飛び出すこともできるため、攻撃の中心として存在感を発揮しやすい。ただし、基本的には前線の3枚を生かすため、ここで挙げる4つのポジションの中では得点の可能性が最も低くなる。

3:[4-2-3-1]のトップ下

 後期リーグの第2節から第5節までの4試合で起用されたポジションであり、この間に2得点3アシストを記録している通り、最もゴールに直結する仕事をしやすそうだ。通常は相手のセンターバックとボランチに挟まれプレースペースは限られるが、持ち前のキープ力に加え、味方がボールを動かす流れで一瞬ディフェンスを外してパスを引き出すなど本田の持ち味がかなり良く出ている。ただ、全体として[4-3-3]よりボールを回しにくく、オプションとしての位置づけのようだ。

4:[4-3-3]または[4-2-3-1]のセンターFW

 記念すべき初ゴールを挙げた時のポジションでもあり、試合開始からよりも、途中でカウンター主体に切り替える場合に有効なオプションとなっている。本田は相手センターバックを背負うタイプではないため“ゼロトップ”的になるが、前線でボールをキープすることも縦に運ぶこともでき、俊足ではないものの、タイミングの良い飛び出しで好機をもたらす仕事もできる。守備の負担も比較的少ないため、終盤に右ウィングなどから移っても攻撃センスを発揮しやすい。

 このようにマルチなポジションで起用されていることは、固定的なポジションで使われ続ける場合よりイメージや感覚を高めにくいデメリットはあるかもしれない。だが、本田は経験値の高い選手であり、様々なポジションでのプレーによって引き出しを増やすことでプレーのイメージが偏らないメリットもある。

 何より重要なのはチームの主力として指揮官に信頼され、試合に出続けていることだ。3月の日本代表復帰に向けて結果を出すことはもちろんだが、ポジションの引き出しの多さを良い意味でアピールしていけるかどうか。ここから数試合は本当に重要な期間となりそうだ。

(文:河治良幸)

【了】

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