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藤江直人

波乱万丈のサッカー人生。元日本代表DF青山直晃がタイで挑む「弱肉強食」の戦い

川崎フロンターレが2戦合計7‐2のスコアで圧勝した、AFCチャンピオンズリーグ(AFC)のトーナメント1回戦。対戦相手のムアントン・ユナイテッドFC(タイ)には、かつてイビチャ・オシム監督に率いられた日本代表に“飛び級”で抜擢されたホープがプレーしている。タイの地へ渡って3年目。充実感と悔しさを同居させていた複雑な胸中を、DF青山直晃に直撃した。(取材・文:藤江直人)

川崎F、絶好調の秘訣。ACLで8年ぶり8強進出。怪我人続出経て厚くなった選手層

川崎フロンターレが絶好調だ。勝ち切れなかった4月までの戦いから一転、5月は公式戦で6戦全勝。グループリーグで4戦連続ドローにあえいでいたAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)でも、気づいてみれば1位突破を果たし、決勝トーナメント1回戦でもムアントン・ユナイテッドFC(タイ)に2戦合計7‐2のスコアで圧勝。8年ぶりのベスト8進出を決め、J1でも好位置につける3つの要因を大黒柱の36歳、MF中村憲剛がムアントンとのセカンドレグ後に残した言葉から紐解いた。(取材・文・藤江直人)

ハリルJ最大のサプライズ。J1未経験の加藤恒平、“非メジャー国”経由選手の先駆者に

25日、6月の試合に向けた日本代表メンバーが発表され、ブルガリアでプレーする加藤恒平が初めて代表チームに招集された。J1でもヨーロッパ主要リーグでもプレー経験を持たないMFの選出はまさしくサプライズと言える。エリート揃いの代表チームにあって、異色の経歴を歩んできた加藤。ハリルジャパン入りを果たした今でも、視線は未来を向いている。(取材・文:藤江直人)

柏・中村航輔、満を持してA代表へ。元代表・川口能活も絶賛、レイソル守護神の現在地

ハリルジャパンに初選出された柏レイソルの守護神、22歳の中村航輔が飛躍の瞬間を迎えようとしている。最後尾で絶対的な存在感を放つチームは破竹の7連勝をマークし、J1を制した2011シーズン以来となる首位に浮上した。2年前に中村とピッチで対峙した元日本代表のレジェンド、GK川口能活の言葉をあらためて紐解きながら、心技体で成長を続ける中村の現在地を追った。(取材・文:藤江直人)

FC東京・米本拓司、大怪我からの復活劇。3度の長期離脱経て変化した姿勢

Jリーグ屈指のボールハンター、MF米本拓司(FC東京)が悪夢の大けがを乗り越えて、トップフォームを取り戻しつつある。過去に2度、左ひざの大けがで長期離脱を強いられた米本は、昨夏に今度は右ひざに全治8ヶ月の重症を負って戦線離脱。それでも手術と過酷なリハビリを乗り越えてピッチへ戻り、24日の柏レイソルとのYBCルヴァンカップでは復帰後で初めて先発フル出場を果たした。リーグ戦への復帰も秒読み段階に入った26歳の元日本代表が胸中に抱く、静かなる思いに迫った。(取材・文・藤江直人)

「FW闘莉王」の心意気。時限的ではないコンバート。大混戦J2、京都が放つ不気味な存在感

約3分の1を消化したJ2戦線で、京都サンガが右肩上がりの曲線を描き出した。一時は21位とJ3への降格圏に沈んでいたが、故障から復帰した田中マルクス闘莉王をフォワードで起用した愛媛FCとの第8節から一変。4勝4分けと無敗を続け、順位を12位まで上げてきた。上位をうかがう東京ヴェルディに敵地で逆転勝ちを収めた21日の第15節後に、今シーズンから加入した36歳の大ベテランは、胸中に抱く「フォワード・闘莉王」としての心意気を熱く語った。(取材・文・藤江直人)

市船出身の高卒ルーキー、そろってU-20W杯へ。原輝綺と杉岡大暉、崇高なライバル関係

20歳以下のナショナルチーム世界一を決めるヒノキ舞台、FIFA・U-20ワールドカップが20日から韓国で開催される。10年もの空白期間を越えて世界に挑むU-20日本代表は17日に韓国入りし、21日のU-20南アフリカ代表とのグループ初戦へ向けて最終調整を重ねている。選ばれた総勢21人のメンバーのなかで市立船橋高校(千葉)時代から切磋琢磨し、お互いを高め合ってきたMF原輝綺(アルビレックス新潟)とDF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)の崇高なライバル関係を追った。(取材・文・藤江直人)

韓国発30年W杯4ヶ国共催案の非現実性。将来構想異なる各国。日本の目標は単独開催

2030年に開催される第24回FIFAワールドカップを、日本、韓国、中国、北朝鮮の4ヶ国の共催で誘致したいとする声が再びあがった。大韓サッカー協会(KFA)の鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長が、突然表明した今年3月に続いて14日にも仰天構想に言及。出場国数が「48」に増え、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長も近隣国による共催を推奨する流れを受けての発言だが、4ヶ国が置かれた状況を整理していくと、絵に描いた餅で終わる可能性が高い。(取材・文・藤江直人)

ACL、日本勢3クラブがGS首位通過の意義。“潰し合い”は回避、「J」の出場枠維持へ

Jリーグの開幕前から行われてきたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で、決勝トーナメントに臨む16チームが出そろった。4チームが出場した日本勢では、鹿島アントラーズ、浦和レッズ、川崎フロンターレがグループリーグをそれぞれ1位で突破する好調ぶりを見せている。12月にUAE(アラブ首長国連邦)で開催されるFIFAクラブワールドカップへの出場権を争うだけでなく、2019シーズン以降のACL出場枠確保がかかっている今シーズンの熱き戦いを中間総括する。(取材・文・藤江直人)

柏・細貝萌がもたらす「勝利の方程式」。7季ぶりのJ復帰、レイソルでの新しい挑戦

3試合連続の無失点を含めて4連勝中の柏レイソルに、サッカー版「勝利の方程式」が生まれつつある。3月下旬にシュトゥットガルトから電撃移籍し、7シーズンぶりにJリーグへ復帰したMF細貝萌が、リードしている展開でのクローザー役として機能しはじめている。現時点で起用された5試合の勝率は100パーセントを誇るが、元日本代表の31歳は濃密な経験を若いチームに伝え、自らもレベルアップを果たすことで、少年時代にファンだったレイソルをさらに高いステージへ導こうとしている。(取材・文:藤江直人)

工藤壮人、「50番」に込めた決意と覚悟。広島の新エースが向き合う壮絶な重圧

3度のJ1制覇を誇るサンフレッチェ広島が、もがき苦しんでいる。4月30日のFC東京戦で今シーズン5度目の完封負けを喫するなど、9試合を終えてまさかの16位に低迷している。北米メジャーリーグサッカーのバンクーバー・ホワイトキャップスから加入し、エースストライカーを託された元日本代表の工藤壮人は自ら希望した「50番」に不退転の決意を込めて、目の前の現実に対する葛藤とも戦いながら、サンフレッチェを浮上させるためのゴールを追い求めていく。(取材・文・藤江直人)

浦和、ACL屈指の破壊力。5試合18ゴールの大爆発。前線の3枚が与える脅威

浦和レッズが2年連続でACL決勝トーナメント進出を決めた。ウェスタン・シドニー・ワンダラーズFC(オーストラリア)を埼玉スタジアムに迎えた26日のグループリーグ第5節で、攻撃陣が大量6ゴールと大爆発。1試合を残して、上海上港(中国)とともに2位以内を確定させた。J1でも首位を快走する原動力は、今シーズンの公式戦14試合で44ゴールを叩き出している圧倒的な攻撃力。そのうち32ゴールを占めている前線のトライアングルは、アジアでも屈指の破壊力を身につけつつある。(取材・文・藤江直人)

「湘南スタイル」継続が導く10代選手の積極起用という必然。ぶれない指揮官の熱い思い

湘南ベルマーレが異例の「夜空ミーティング」を開催した。壮絶なゴールの奪い合いの末に、FC岐阜と3‐3で引き分けた15日のJ2第8節を終えたばかりのピッチで、曹貴裁(チョウ・キジェ)監督が6人の選手を呼び止め、約15分間にわたって身ぶり手ぶりで熱弁をふるった。指名された6人のなかに齊藤未月、杉岡大暉、石原広教の18歳トリオが含まれていた点に、J2降格からの再出発を期す新生ベルマーレの未来を見すえた、曹監督のぶれない信念と熱い思いが込められている。(取材・文・藤江直人)

浦和・西川周作が抱く「数字」へのこだわり。代表正GK奪還へ、レッズで高める存在感

浦和レッズの守護神、西川周作が調子をあげてきた。公式戦で失点が続き、3月のワールドカップ・アジア最終予選では先発の座を川島永嗣(FCメス)に奪われた。しかし、7日のベガルタ仙台戦、11日の上海上港(中国)とのACL、そして16日のFC東京戦と3試合連続で完封勝利を達成。今シーズンで初めてJ1の首位に躍り出たレッズの最後尾で、逆襲へ向けて大きな存在感を放ちつつある。(取材・文:藤江直人)

湘南の新主将、菊地俊介。高山の長期離脱で引き継いだ大役。2ゴールで消し去った“トラウマ”

キャプテンにして「湘南スタイル」の体現者、FW高山薫が右ひざに大けがを負い、長期離脱を強いられた湘南ベルマーレ。心身両面でチームを引っ張るダイナモの今シーズン中の復帰がほぼ絶望となった大ピンチで、曹貴裁監督は入団4年目の25歳、MF菊地俊介を新キャプテンに指名。すべて無失点で5連勝中だった9日の東京ヴェルディとの上位対決を、2ゴールをあげた菊地の活躍もあって3‐2で制した。J1復帰へ向けて再加速する体勢を整えた、キャプテン交代を導いた知られざるドラマを追った。(取材・文・藤江直人)

川崎F・奈良竜樹が放つ異彩。2度の負傷と五輪代表落選経て培った強靭なメンタリティー

けが人が続出して、苦しい戦いを強いられている川崎フロンターレの最終ラインで奈良竜樹が異彩を放っている。左足腓骨を2度にわたって骨折し、シーズンの大半だけではなく、目標にすえてきたリオデジャネイロ五輪も棒に振った昨シーズンからの復活を期す23歳のセンターバックは、ミスをすぐに帳消しにする強靭なメンタリティーを武器に少しずつ、雄々しく成長を続けている。(取材・文・藤江直人)

鹿島の新星FW安部裕葵。本田圭佑プロデュースチームの出身者が18歳でJデビュー

常勝軍団・鹿島アントラーズに将来楽しみな新星が現れた。1日の大宮アルディージャとのJ1第5節で、クラブ史上で3番目に若い18歳2ヶ月4日で公式戦デビューを果たしたFW安部裕葵。中学時代に日本代表FW本田圭佑の薫陶を受け、広島・瀬戸内高校をへて今シーズンから加入したルーキーは、記録には残らない泥臭い仕事で決勝点の起点となり、憧れ続けてきたプロの世界での第一歩を記した。(取材・文・藤江直人)

久保建英、加速する成長速度。FC東京U-23出場のベテラン選手が語る、15歳FWの現在地

15歳の逸材、FW久保建英(FC東京U‐18)が成長のスピードを加速させている。J3に参戦しているFC東京U‐23を今シーズンの主戦場とするなかで、2日の鹿児島ユナイテッドFC戦では35歳の元日本代表FW前田遼一と2トップを組み、「10番」を背負う31歳の梶山陽平の後方支援を受けた。ゲームキャプテンを務めた28歳のDF吉本一謙を含めて、鹿児島戦に出場したオーバーエイジ組の証言をまじえながら、FCバルセロナの下部組織で育ったホープの現在地を追った。(取材・文・藤江直人)

FC東京・廣末陸への期待感。元代表守護神・川口能活の目に映った選手権優勝GKの資質

今年1月の全国高校サッカー選手権で青森山田を悲願の初優勝に導いた守護神、18歳の廣末陸がプロデビューを完封勝利で飾った。舞台は加入したFC東京がU‐23チームを参戦させているJ3。味の素フィールド西が丘で3月25日に行われた、SC相模原との第3節で初先発してチームの連敗を止めた。運命に導かれたかのように、相手チームには廣末が憧れ続けてきた元日本代表GK川口能活が所属している。41歳のレジェンドの目には、高校選手権優勝キーパーの後輩はどのように映っていたのか。(取材・文・藤江直人)

久保裕也、ハリルJ最大の発見か。指揮官が求めたストライカーの条件。期待への満額回答

UAE(アラブ首長国連邦)、タイ両代表にともに完封勝ちを収め、ワールドカップ・アジア最終予選のグループBで初めて首位に浮上した日本代表。個人にスポットをあてれば、最大の収穫となったのがFW久保裕也(ヘント)であることに異論はないだろう。2試合で2ゴール3アシストをマークした八面六臂の大活躍は、所属クラブでのパフォーマンスを含めて、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がストライカーに求める条件を完璧に満たしつつある。(取材・文・藤江直人)

倉田秋、非常事態で高まる期待。遠藤と今野の檄を糧にG大阪の苦労人が初の国内代表戦へ

ハリルジャパンの中盤に非常事態が発生している。不動のキャプテンの長谷部誠(フランクフルト)に加えて、敵地でのUAE(アラブ首長国連邦)代表戦で獅子奮迅の活躍を見せた今野泰幸(ガンバ大阪)と、高萩洋次郎(FC東京)までが骨折で離脱。今後の得失点差を考えれば大量得点での勝利がほしい28日のタイ代表戦(埼玉スタジアム)へ向けて、約1年7ヶ月ぶりに代表復帰を果たしたガンバの苦労人、28歳の倉田秋の存在が一気にクローズアップされてくる。(取材・文・藤江直人)

齋藤学“無双”の裏で見えた新生マリノスの課題。若きトリコロールが秘める無限の可能性

チームの象徴だった司令塔・中村俊輔が移籍するなど、このオフにチームの陣容が大きく変わった横浜F・マリノス。不安のほうが大きい中で臨んだ今季は「10番」とキャプテンを受け継いだMF齋藤学を中心に、若さとスピードを前面に押し出す痛快無比なサッカーを繰り出している。序盤戦を2勝1分け1敗で終えた新生マリノスが秘める可能性と、現時点で見えてきた課題を追った。(取材・文:藤江直人)

FC東京・徳永悠平、ルヴァン杯で放ったいぶし銀の存在感。背番号変更に込められた思い

21歳以下の若手を1人以上先発で起用することが義務づけられた、YBCルヴァンカップが15日に開幕した。ホームにベガルタ仙台を迎えたグループリーグ初戦を6‐0で圧勝したFC東京は、リオデジャネイロ五輪の代表候補にも名前を連ねた20歳のDF小川諒也を「若手育成枠」で起用した。若手の登竜門としての位置づけがさらに濃くなった舞台で、いぶし銀の存在感を放った33歳のベテラン、DF徳永悠平の背番号の変更に込められた思いを追った。(取材・文・藤江直人)

JFL社員選手からJ1へ。C大阪・清原翔平、30歳目前で1部デビュー果たした苦労人の足跡

浦和レッズが3‐1でセレッソ大阪を一蹴した4日のJ1第2節。後半16分にひとつのドラマが生まれた。セレッソの最初の交代カードとして、30歳を目前にしてのJ1デビューとなるMF清原翔平が投入された。JFLのSAGAWA SHIGA FCを皮切りに、ツエーゲン金沢でJFLからJ3をへてJ2を経験。断腸の思いとともに移籍した新天地セレッソでJ1昇格に貢献し、悲願でもあった埼玉スタジアムのピッチに立った遅咲きの苦労人の、波瀾万丈に富んだサッカー人生を追った。(取材・文・藤江直人)

盟友と父親が見たカズの雄姿。北澤、武田らが感服、50歳Jリーガーの存在価値

史上初の「50歳のJリーガー」が誕生した2月26日のJ2開幕戦には、FW三浦知良(横浜FC)の勇姿を目に焼きつけようと、かつて同じチームで戦った盟友たちも松本山雅FC戦が行われたニッパツ三ツ沢球技場に集結した。元日本代表で現在は日本サッカー協会理事などを務める北澤豪さん、武田修宏さん、そして父親の納谷宣雄さんの言葉を通して、50歳の現役Jリーガーの存在価値を探った。(取材・文・藤江直人)

キング・カズの真実。勝つために起用する指揮官。50歳現役もまだ通過点

日本サッカー界の歴史に、未来永劫に語り継がれる1ページが刻まれた。26日のJ2開幕戦。この日50回目の誕生日を迎えた横浜FCのFW三浦知良は、松本山雅FC戦で先発出場を果たし、史上初となる「50歳のJリーガー」になった。観戦に訪れた初代チェアマンの川淵三郎・日本サッカー協会最高顧問、横浜FCの中田仁司監督、そして決勝点をあげた25歳のMF野村直輝の言葉を通して、伝説を刻み続けるキング・カズの真実と50歳にして現役でプレーする価値を追った。(取材・文・藤江直人)

FC東京にもたらされた“化学反応”。高萩洋次郎と橋本拳人、ボランチが体現する「泥臭さ」

5人の日本代表経験者を加える大型補強を敢行したFC東京が、秘密に包まれてきたベールを脱いだ。昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズのホームに乗り込んだ25日のJ1開幕戦。FCソウルから加入した高萩洋次郎、リオデジャネイロ五輪代表候補の橋本拳人で組んだボランチがアントラーズの攻撃を幾度となく遮断。昨シーズンまでのFC東京にはない泥臭さを発揮する源泉となり、2007年6月30日を最後に遠ざかっていた鬼門の地・カシマスタジアムでの白星発進に導いた。(取材・文・藤江直人)

鹿島、新黄金期への第一歩。配分金の増額に合わせた強化プラン。勝ち組のサイクルへ

シーズンの幕開けを告げる18日のフジゼロックス・スーパーカップ2017で、昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズが浦和レッズを3‐2で下した。国内三大タイトル独占だけでなく、ACLを制してFIFAクラブワールドカップへの再挑戦を目標に掲げる常勝軍団。レッズ戦で存在感を放ったFWペドロ・ジュニオール、MFレオ・シルバらの新戦力は、これから幕を開ける新伝説の序章にすぎない。(取材・文・藤江直人)

C大阪、清武獲得資金捻出の背景。約6億円にのぼる移籍金。ヤンマーの支援と不退転の覚悟

2017シーズンのJリーグが、いよいよ25日に開幕する。選手の移籍が活発化したなかで、ひときわ大きな注目を集めているのが3年ぶりにJ1の舞台で戦うセレッソ大阪だ。ハリルジャパンのトップ下を担う清武弘嗣を、ヨーロッパの冬の移籍市場が閉まる日本時間2月1日になってセビージャから完全移籍で獲得。500万ユーロ(約6億円)とされる高額の移籍金が捻出された背景には、玉田稔代表取締役社長をはじめとするセレッソ経営陣の不退転の覚悟があった。(取材・文・藤江直人)

“チェアマン”の産みの親。「ダイヤモンドサッカー」解説者が抱いていた言葉へのこだわり【岡野俊一郎さん追悼コラム】

さる2日に85年間の生涯を閉じた、日本サッカー協会の第9代会長、岡野俊一郎さんは1968年から東京12チャンネル(現テレビ東京)で約20年間放送された『三菱ダイヤモンドサッカー』の名解説を通じて、サッカーの普及に尽力した。ウィットに富んだ言葉の使い手だった岡野さんは、いまやすっかり市民権を得ている「チェアマン」という言葉の産みの親でもあった。生前に行った取材をもとに、岡野さんが抱いていた言葉への強いこだわりを再現する。(取材・文・藤江直人)

横浜FMの前身、日産自動車サッカー部の誕生秘話。一本の電話から始まった名門の軌跡【岡野俊一郎さん追悼コラム】

日本サッカー協会の第9代会長で、2002年のワールドカップ日韓共催大会の招致および成功に尽力した岡野俊一郎さんがさる2日、85年間の生涯を閉じた。国際オリンピック委員会(IOC)の委員を22年間も務めるなど、スポーツ界に幅広い人脈をもっていた岡野さんは、横浜F・マリノスの前身である日産自動車サッカー部の設立も「アシスト」していた。半世紀近くも前の秘話を、生前の岡野さんに行った取材をもとに再現した。(取材・文・藤江直人)

稲本潤一と小野伸二、J1で初共演へ。札幌で同じユニフォームをまとった2人の「黄金世代」

5シーズンぶりとなりJ1の戦いに挑む北海道コンサドーレ札幌が、1月中旬から温暖な沖縄で入念な第1次キャンプを積んでいる。昨シーズンからグローインペイン症候群に悩まされている小野伸二。そして、右ひざの前十字じん帯断裂の大けがからの復帰を目指す稲本潤一。札幌の地で初めて同じユニフォームに袖を通して3シーズン目になる、1979年度生まれの「黄金世代」を象徴する2人の元日本代表MFの現在位置を追った。(取材・文・藤江直人)

鹿島、柴崎放出も抜かりなし。大型補強敢行も伝統は堅持。常勝軍団が歩む新黄金期への道程

昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズが、クラブ史上でも前例のない大型補強を成功させてシーズン開幕に臨もうとしている。司令塔・柴崎岳がリーガ・エスパニョーラ2部のテネリフェへ完全移籍したが、鈴木満常務取締役強化部長は早い段階から柴崎抜きの陣容を再構築。今シーズンから5枠に拡大される外国人枠もフル活用して、昨シーズンをはるかに越える強さを追い求める先に、常勝軍団は大いなる野望を描いている。(取材・文・藤江直人)

「天才」家長昭博が川崎Fを選んだ理由。30歳での決断。「模索中」のサッカー人生

元日本代表のMF家長昭博が、大黒柱としての居場所を築きあげた大宮アルディージャから川崎フロンターレへ新天地を求めた。ガンバ大阪ユース時代から「天才」と称されてきたレフティーにとって、14年間のプロサッカー人生で延べ9つ目のチーム。何が彼を駆り立て、30歳にして新たなチャレンジを決意させたのか。いま現在の思いだけでなく、これまでの語録も踏まえながら、家長が追い求めているものを探った。(取材・文・藤江直人)

■プロフィール
家長昭博(いえながあきひろ)
1986年、京都府生まれ。ガンバ大阪ジュニアユース、ユースを経て、2004年にトップチームデビュー。当時から「天才」と称される。2011年にはスペイン1部・マヨルカへ移籍。トップ下として活躍。出場機会が減ると、韓国1部・蔚山現在、古巣のガンバ大阪に期限付き移籍。2013年にマヨルカへ復帰し、2014年からは大宮アルディージャでプレー。2017年に川崎フロンターレへ完全移籍すると、チームのJ1初優勝に大きく貢献。なお同時期にガンバ大阪ジュニアユースにいた本田圭佑とは生年月日が一緒だが、本田はユースに上がれなかった。日本代表では3試合出場。

湘南のアイデンティティーを託された2人のホープ。幼稚園時からともにプレー、物語は新章へ

J2からの捲土重来を期す今シーズンの湘南ベルマーレ。菊池大介は浦和レッズ、三竿雄斗は鹿島アントラーズへと旅立ったが、希望の二文字も紡がれている。資金難に直面しても死守してきた普及・育成部門でジュニアからベルマーレひと筋で育ち、クラブのアイデンティティーを託されたMF齊藤未月とDF石原広教。同じチームでプレーすること、実に14年目を迎える東京オリンピック世代のホープを通して、ベルマーレの「これまで」と「いま」、そして「これから」を見ることができる。(取材・文・藤江直人)

鹿島加入の東福岡・小田逸稀にかかる期待。左SBで孤軍奮闘中の山本脩斗と“伝統の”競争へ

 二冠王者・鹿島アントラーズが、新シーズンへ向けて積極的に新戦力を補強している。Jリーグ屈指のボールハンター、MFレオ・シルバ(アルビレックス新潟)をはじめとする即戦力だけでなく、今春に高校を卒業するホープたちの加入も内定。特に先の第95回全国高校サッカー選手権大会にも出場した小田逸稀(福岡・東福岡)には、31歳のベテラン・山本脩斗が孤軍奮闘している左サイドバックのバトンを引き継ぐ存在になってほしい、という期待がかけられている。(取材・文・藤江直人)

日本はACL出場枠を維持できるか。ポイント算出方法が変更。高まる「爆買い」中国の脅威

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に臨む、アジア各国の出場枠を決める際の基準となるポイント算出方法が、大きく変更されたことが明らかになった。代表チームの成績が占める割合が現状の30パーセントから最終的にはゼロとなる一方で、ACLにおける成績が一気に重要視される。2月に幕を開ける2017シーズンのACLで、Jクラブ勢が果たすべきミッションがますます大きくなってくる。(取材・文・藤江直人)

Jリーグ新規参入クラブは専スタ構想が義務化? 紛糾した理事会。タブーなき改革への議論

イギリスの動画配信大手パフォーム・グループが提供するスポーツのライブストリーミングサービス『DAZN(ダ・ゾーン)』と締結した、10年におよぶ放映権料契約をいよいよ来年からスタートさせるJリーグ。もっとも、総額約2100億円にのぼるビッグマネーは「始めの一歩」にすぎない。日本サッカー界の未来をさらに明るいものとするために、村井満チェアマンはまもなく訪れる2017年において、タブーなき改革へ向けた議論を展開していくことを明言している。(取材・文・藤江直人)

昌子源、激動の1ヶ月で学びとった鹿島の伝統。「『いい試合をした』じゃあ意味がない」

Jリーグチャンピオンシップ制覇から、FIFAクラブワールドカップ準優勝へ。今シーズンの終盤戦で圧倒的な強さを誇った鹿島アントラーズで、ひときわ大きな存在感を放ったのが昌子源だ。クラブ伝統の「3番」を託されて2シーズン目で、Jリーグのベストイレブンにも初めて選出されたディフェンスリーダーは、26日間で7試合にフル出場を果たしたなかで何を感じ取ったのか。昌子が残した言葉の数々から、成長著しい24歳が残した戦いの軌跡を追った。(取材・文・藤江直人)

小笠原と曽ヶ端、鹿島支える2人の37歳。常勝軍団の伝統背負い、南米王者との一戦へ

鹿島アントラーズの快進撃が止まらない。開催国代表として初めて臨んでいるFIFAクラブワールドカップ2016で、アフリカ大陸代表のマメロディ・サンダウンズと対峙した11日の準々決勝(市立吹田サッカースタジアム)も2‐0で勝利。アジア勢初の決勝進出をかけて、14日夜に南米大陸代表のアトレティコ・ナシオナル(コロンビア)に挑む常勝軍団を、ともに1979年生まれの37歳の大ベテラン、キャプテンのMF小笠原満男と守護神・曽ヶ端準がいぶし銀の輝きを放つ存在感で支えている。(取材・文:藤江直人)

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