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藤江直人

川崎・阿部浩之、覚醒の秘訣。独特のスタイルへの順応。輝き放つチームの中心に

川崎フロンターレの阿部浩之が、28歳の誕生日にキャリアハイとなるシーズン8ゴール目を前半最後の一戦で叩き出した。ホームに浦和レッズを迎えた5日のJ1第13節でワントップとして先発。前半16分にキャプテンのFW小林悠の先制点をマークし、同29分には大黒柱のMF中村憲剛のアシストから2試合連続のゴールをマーク。後半からは左サイドハーフに回り、4‐1の快勝に貢献した。ガンバ大阪から加入して半年足らず。瞬く間に独自のスタイルに順応し、さらに覚醒しつつある秘密に迫った。(取材・文:藤江直人)

これぞ鹿島の底力。大岩新監督のもとV字回復。昨季の二冠王者、復調の舞台裏

昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズが復調してきた。首位に立つ柏レイソルのホームに乗り込んだ2日のJ1第17節で、壮絶なゴールの奪い合いの末に3‐2の鮮やかな逆転勝利をゲット。石井正忠前監督の電撃解任から1ヶ月あまり。ヘッドコーチから昇格した大岩剛新監督のもとで、リーグ戦4連勝と怒涛のV字回復を遂げた舞台裏に迫った。(取材・文:藤江直人)

新生マリノス、“勝利の方程式”。J1連続フル出場新記録の鉄人、中澤佑二が語る「最適解」

横浜F・マリノスが不気味な存在感を放ち始めた。4シーズンぶりの5連勝をマークし、暫定5位でターンしたJ1戦線で、前半を耐え忍びながらスコアレスで折り返し、相手のプレッシャーが弱まる後半にゴールネットを揺らす、2017シーズン版の「勝利の方程式」を確立した。1日の大宮アルディージャ戦で、フィールドプレーヤーでは歴代最長となる140試合連続の先発フル出場を達成した39歳の大ベテラン、元日本代表のDF中澤佑二に進化しつつある新生・マリノスの現在地を聞いた。(取材・文:藤江直人)

Jリーグ、“入れ替え戦”復活の背景。上限クラブ数を「60」と想定した構造改革の視座

Jリーグは27日に都内で開催した定例理事会で、2018シーズンからJ1・J2昇降格決定方法を変更することを決めた。2012シーズンから実施してきた「J1昇格プレーオフ」の形式に、J1の16位チームが参戦する「J1参入プレーオフ(仮称)」が導入される背景には、拡大させてきたJ3の形式や上限チーム数を含めた、Jリーグの将来的な全体像を視野に入れた構造改革が含まれている。(取材・文:藤江直人)

G大阪・井手口陽介、堂安律との絆。宇佐美に続くガンバ生え抜き組がつなぐバトン

育成組織出身のホープ、18歳のFW堂安律が笑顔で旅立った25日の川崎フロンターレとのJ1第16節は、ガンバ大阪が誇るもう一人の若武者、20歳の日本代表MF井手口陽介が眩い輝きを放った夜でもあった。今節のJ1で最多となる41回を数えたスプリント回数を含めた、異次元の運動量でピッチを駆け回ったかと思えば、後半23分にはFW長沢駿の同点弾もアシスト。可愛がってきた後輩・堂安が旅立つ姿に触発され、進むべき道と未来の夢があらためて鮮明になった試合後の胸中を直撃した。(取材・文:藤江直人)

堂安律、笑顔での旅立ち。宇佐美貴史の背中を追って。感謝の念をパワーに変え欧州へ

オランダ1部リーグ・フローニンゲンへ期限付き移籍するガンバ大阪のホープ、堂安律が笑顔で国内最終戦を終えた。ホームの市立吹田サッカースタジアムに川崎フロンターレを迎えた、25日のJ1第16節に先発して後半19分までプレー。終了後に開催された退団セレモニーでは憧れて続けてきたFW宇佐美貴史(現アウグスブルク)に触発され、宇佐美と同じ19歳の夏に海を渡る決意をファンやサポーターに告げた。2020年の東京五輪で主役を期待される左利きのアタッカーは、28日に離日する予定だ。(取材・文:藤江直人)

栗原勇蔵、マリノス一筋CBの誓い。大幅減俸受け入れた33歳、16年目のプロ意識

今シーズン初の3連勝で暫定5位に浮上した横浜F・マリノスで、16年目を迎えた最古参、33歳のDF栗原勇蔵がいぶし銀の輝きを放った。オーストラリア代表DFミロシュ・デゲネクを欠いた、18日のFC東京戦で今シーズン初先発。闘志を前面に押し出す、体を張ったプレーで1‐0の完封勝利に貢献した。このオフに提示された大幅な減俸をあえて受け入れて残留したベテランが、ジュニアユースからひと筋で育ってきたマリノスへ抱く深い愛着を、ピッチの上でしっかりと具現化してみせた。(取材・文:藤江直人)

柏を変えた育成哲学。アカデミー育ちが台頭…ようやく見出した「8+3」の最適なバランス

 J1戦線で暫定首位をキープする、柏レイソルの先発メンバーが異彩を放っている。アカデミー出身の選手が実に8人を数える陣容は、Jリーグ全体でも稀有といっていい。U-12からU-18までのアカデミー全体が「自分たちがボールを保持する攻撃的なサッカー」というコンセプトで統一されたのが2010シーズン。長い年月をかけて追い求めてきた「8+3」、先発11人のうちアカデミー出身者が8人を占める目標を成就させる中で、最適のバランスを得た結果が今シーズンの快進撃につながっている。(取材・文:藤江直人)

無名の大学生からアジア屈指の強豪クラブへ。UAE移籍、塩谷司のサクセスストーリー

昨夏のリオデジャネイロ五輪にオーバーエイジ枠で出場した、サンフレッチェ広島のDF塩谷司がUAE(アラブ首長国連邦)の強豪アル・アインへ完全移籍することが決まった。J2の水戸ホーリーホックからはいあがるサクセスストーリーを描いてきた苦労人は、日本人には馴染みの薄い中東の地でプレーする「海外組」として心技体でさらなる成長を果たし、29歳で迎える来年のワールドカップ・ロシア大会の舞台に立つ夢をかなえる。(取材・文:藤江直人)

乾貴士、勝ち取った「ジョーカー枠」。2年ぶり代表で「楽しむ」を具現化できた3つの理由

約2年2ヶ月ぶりに日本代表復帰した、FW乾貴士(エイバル)の株が赤丸急上昇中だ。スペインの地で磨きがかけかれた切れ味鋭いドリブルと、ブランクをまったく感じさせない周囲とのコンビネーションを、途中出場した7日のシリア代表とのキリンチャレンジカップ2017で存分に披露。13日に待つイラク代表とのワールドカップ・アジア最終予選第8戦(テヘラン)における「ジョーカー枠」をも勝ち取った、29歳が掲げるキーワード「楽しむ」を実践できた3つの理由を探った。(取材・文:藤江直人)

柏、8連勝導いた転換点。怒涛のハイプレス集団への変貌。土台はアカデミーからの継続に

柏レイソルが絶好調だ。浦和レッズをホームの日立柏サッカー場に迎えた4日のJ1第14節では、身長155センチの最小兵Jリーガー、MF中川寛斗が頭で決めた先制弾を守り切って破竹の8連勝を達成。首位の座をキープするとともに、晴れて“暫定”の二文字も取れた。黒星が先行した序盤戦から一転、対戦相手を辟易とさせる怒涛のハイプレス集団と化したターニングポイントを探った。(取材・文・藤江直人)

波乱万丈のサッカー人生。元日本代表DF青山直晃がタイで挑む「弱肉強食」の戦い

川崎フロンターレが2戦合計7‐2のスコアで圧勝した、AFCチャンピオンズリーグ(AFC)のトーナメント1回戦。対戦相手のムアントン・ユナイテッドFC(タイ)には、かつてイビチャ・オシム監督に率いられた日本代表に“飛び級”で抜擢されたホープがプレーしている。タイの地へ渡って3年目。充実感と悔しさを同居させていた複雑な胸中を、DF青山直晃に直撃した。(取材・文:藤江直人)

川崎F、絶好調の秘訣。ACLで8年ぶり8強進出。怪我人続出経て厚くなった選手層

川崎フロンターレが絶好調だ。勝ち切れなかった4月までの戦いから一転、5月は公式戦で6戦全勝。グループリーグで4戦連続ドローにあえいでいたAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)でも、気づいてみれば1位突破を果たし、決勝トーナメント1回戦でもムアントン・ユナイテッドFC(タイ)に2戦合計7‐2のスコアで圧勝。8年ぶりのベスト8進出を決め、J1でも好位置につける3つの要因を大黒柱の36歳、MF中村憲剛がムアントンとのセカンドレグ後に残した言葉から紐解いた。(取材・文・藤江直人)

ハリルJ最大のサプライズ。J1未経験の加藤恒平、“非メジャー国”経由選手の先駆者に

25日、6月の試合に向けた日本代表メンバーが発表され、ブルガリアでプレーする加藤恒平が初めて代表チームに招集された。J1でもヨーロッパ主要リーグでもプレー経験を持たないMFの選出はまさしくサプライズと言える。エリート揃いの代表チームにあって、異色の経歴を歩んできた加藤。ハリルジャパン入りを果たした今でも、視線は未来を向いている。(取材・文:藤江直人)

柏・中村航輔、満を持してA代表へ。元代表・川口能活も絶賛、レイソル守護神の現在地

ハリルジャパンに初選出された柏レイソルの守護神、22歳の中村航輔が飛躍の瞬間を迎えようとしている。最後尾で絶対的な存在感を放つチームは破竹の7連勝をマークし、J1を制した2011シーズン以来となる首位に浮上した。2年前に中村とピッチで対峙した元日本代表のレジェンド、GK川口能活の言葉をあらためて紐解きながら、心技体で成長を続ける中村の現在地を追った。(取材・文:藤江直人)

FC東京・米本拓司、大怪我からの復活劇。3度の長期離脱経て変化した姿勢

Jリーグ屈指のボールハンター、MF米本拓司(FC東京)が悪夢の大けがを乗り越えて、トップフォームを取り戻しつつある。過去に2度、左ひざの大けがで長期離脱を強いられた米本は、昨夏に今度は右ひざに全治8ヶ月の重症を負って戦線離脱。それでも手術と過酷なリハビリを乗り越えてピッチへ戻り、24日の柏レイソルとのYBCルヴァンカップでは復帰後で初めて先発フル出場を果たした。リーグ戦への復帰も秒読み段階に入った26歳の元日本代表が胸中に抱く、静かなる思いに迫った。(取材・文・藤江直人)

「FW闘莉王」の心意気。時限的ではないコンバート。大混戦J2、京都が放つ不気味な存在感

約3分の1を消化したJ2戦線で、京都サンガが右肩上がりの曲線を描き出した。一時は21位とJ3への降格圏に沈んでいたが、故障から復帰した田中マルクス闘莉王をフォワードで起用した愛媛FCとの第8節から一変。4勝4分けと無敗を続け、順位を12位まで上げてきた。上位をうかがう東京ヴェルディに敵地で逆転勝ちを収めた21日の第15節後に、今シーズンから加入した36歳の大ベテランは、胸中に抱く「フォワード・闘莉王」としての心意気を熱く語った。(取材・文・藤江直人)

市船出身の高卒ルーキー、そろってU-20W杯へ。原輝綺と杉岡大暉、崇高なライバル関係

20歳以下のナショナルチーム世界一を決めるヒノキ舞台、FIFA・U-20ワールドカップが20日から韓国で開催される。10年もの空白期間を越えて世界に挑むU-20日本代表は17日に韓国入りし、21日のU-20南アフリカ代表とのグループ初戦へ向けて最終調整を重ねている。選ばれた総勢21人のメンバーのなかで市立船橋高校(千葉)時代から切磋琢磨し、お互いを高め合ってきたMF原輝綺(アルビレックス新潟)とDF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)の崇高なライバル関係を追った。(取材・文・藤江直人)

韓国発30年W杯4ヶ国共催案の非現実性。将来構想異なる各国。日本の目標は単独開催

2030年に開催される第24回FIFAワールドカップを、日本、韓国、中国、北朝鮮の4ヶ国の共催で誘致したいとする声が再びあがった。大韓サッカー協会(KFA)の鄭夢奎(チョン・モンギュ)会長が、突然表明した今年3月に続いて14日にも仰天構想に言及。出場国数が「48」に増え、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長も近隣国による共催を推奨する流れを受けての発言だが、4ヶ国が置かれた状況を整理していくと、絵に描いた餅で終わる可能性が高い。(取材・文・藤江直人)

ACL、日本勢3クラブがGS首位通過の意義。“潰し合い”は回避、「J」の出場枠維持へ

Jリーグの開幕前から行われてきたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で、決勝トーナメントに臨む16チームが出そろった。4チームが出場した日本勢では、鹿島アントラーズ、浦和レッズ、川崎フロンターレがグループリーグをそれぞれ1位で突破する好調ぶりを見せている。12月にUAE(アラブ首長国連邦)で開催されるFIFAクラブワールドカップへの出場権を争うだけでなく、2019シーズン以降のACL出場枠確保がかかっている今シーズンの熱き戦いを中間総括する。(取材・文・藤江直人)

柏・細貝萌がもたらす「勝利の方程式」。7季ぶりのJ復帰、レイソルでの新しい挑戦

3試合連続の無失点を含めて4連勝中の柏レイソルに、サッカー版「勝利の方程式」が生まれつつある。3月下旬にシュトゥットガルトから電撃移籍し、7シーズンぶりにJリーグへ復帰したMF細貝萌が、リードしている展開でのクローザー役として機能しはじめている。現時点で起用された5試合の勝率は100パーセントを誇るが、元日本代表の31歳は濃密な経験を若いチームに伝え、自らもレベルアップを果たすことで、少年時代にファンだったレイソルをさらに高いステージへ導こうとしている。(取材・文:藤江直人)

工藤壮人、「50番」に込めた決意と覚悟。広島の新エースが向き合う壮絶な重圧

3度のJ1制覇を誇るサンフレッチェ広島が、もがき苦しんでいる。4月30日のFC東京戦で今シーズン5度目の完封負けを喫するなど、9試合を終えてまさかの16位に低迷している。北米メジャーリーグサッカーのバンクーバー・ホワイトキャップスから加入し、エースストライカーを託された元日本代表の工藤壮人は自ら希望した「50番」に不退転の決意を込めて、目の前の現実に対する葛藤とも戦いながら、サンフレッチェを浮上させるためのゴールを追い求めていく。(取材・文・藤江直人)

浦和、ACL屈指の破壊力。5試合18ゴールの大爆発。前線の3枚が与える脅威

浦和レッズが2年連続でACL決勝トーナメント進出を決めた。ウェスタン・シドニー・ワンダラーズFC(オーストラリア)を埼玉スタジアムに迎えた26日のグループリーグ第5節で、攻撃陣が大量6ゴールと大爆発。1試合を残して、上海上港(中国)とともに2位以内を確定させた。J1でも首位を快走する原動力は、今シーズンの公式戦14試合で44ゴールを叩き出している圧倒的な攻撃力。そのうち32ゴールを占めている前線のトライアングルは、アジアでも屈指の破壊力を身につけつつある。(取材・文・藤江直人)

「湘南スタイル」継続が導く10代選手の積極起用という必然。ぶれない指揮官の熱い思い

湘南ベルマーレが異例の「夜空ミーティング」を開催した。壮絶なゴールの奪い合いの末に、FC岐阜と3‐3で引き分けた15日のJ2第8節を終えたばかりのピッチで、曹貴裁(チョウ・キジェ)監督が6人の選手を呼び止め、約15分間にわたって身ぶり手ぶりで熱弁をふるった。指名された6人のなかに齊藤未月、杉岡大暉、石原広教の18歳トリオが含まれていた点に、J2降格からの再出発を期す新生ベルマーレの未来を見すえた、曹監督のぶれない信念と熱い思いが込められている。(取材・文・藤江直人)

浦和・西川周作が抱く「数字」へのこだわり。代表正GK奪還へ、レッズで高める存在感

浦和レッズの守護神、西川周作が調子をあげてきた。公式戦で失点が続き、3月のワールドカップ・アジア最終予選では先発の座を川島永嗣(FCメス)に奪われた。しかし、7日のベガルタ仙台戦、11日の上海上港(中国)とのACL、そして16日のFC東京戦と3試合連続で完封勝利を達成。今シーズンで初めてJ1の首位に躍り出たレッズの最後尾で、逆襲へ向けて大きな存在感を放ちつつある。(取材・文:藤江直人)

湘南の新主将、菊地俊介。高山の長期離脱で引き継いだ大役。2ゴールで消し去った“トラウマ”

キャプテンにして「湘南スタイル」の体現者、FW高山薫が右ひざに大けがを負い、長期離脱を強いられた湘南ベルマーレ。心身両面でチームを引っ張るダイナモの今シーズン中の復帰がほぼ絶望となった大ピンチで、曹貴裁監督は入団4年目の25歳、MF菊地俊介を新キャプテンに指名。すべて無失点で5連勝中だった9日の東京ヴェルディとの上位対決を、2ゴールをあげた菊地の活躍もあって3‐2で制した。J1復帰へ向けて再加速する体勢を整えた、キャプテン交代を導いた知られざるドラマを追った。(取材・文・藤江直人)

川崎F・奈良竜樹が放つ異彩。2度の負傷と五輪代表落選経て培った強靭なメンタリティー

けが人が続出して、苦しい戦いを強いられている川崎フロンターレの最終ラインで奈良竜樹が異彩を放っている。左足腓骨を2度にわたって骨折し、シーズンの大半だけではなく、目標にすえてきたリオデジャネイロ五輪も棒に振った昨シーズンからの復活を期す23歳のセンターバックは、ミスをすぐに帳消しにする強靭なメンタリティーを武器に少しずつ、雄々しく成長を続けている。(取材・文・藤江直人)

鹿島の新星FW安部裕葵。本田圭佑プロデュースチームの出身者が18歳でJデビュー

常勝軍団・鹿島アントラーズに将来楽しみな新星が現れた。1日の大宮アルディージャとのJ1第5節で、クラブ史上で3番目に若い18歳2ヶ月4日で公式戦デビューを果たしたFW安部裕葵。中学時代に日本代表FW本田圭佑の薫陶を受け、広島・瀬戸内高校をへて今シーズンから加入したルーキーは、記録には残らない泥臭い仕事で決勝点の起点となり、憧れ続けてきたプロの世界での第一歩を記した。(取材・文・藤江直人)

久保建英、加速する成長速度。FC東京U-23出場のベテラン選手が語る、15歳FWの現在地

15歳の逸材、FW久保建英(FC東京U‐18)が成長のスピードを加速させている。J3に参戦しているFC東京U‐23を今シーズンの主戦場とするなかで、2日の鹿児島ユナイテッドFC戦では35歳の元日本代表FW前田遼一と2トップを組み、「10番」を背負う31歳の梶山陽平の後方支援を受けた。ゲームキャプテンを務めた28歳のDF吉本一謙を含めて、鹿児島戦に出場したオーバーエイジ組の証言をまじえながら、FCバルセロナの下部組織で育ったホープの現在地を追った。(取材・文・藤江直人)

FC東京・廣末陸への期待感。元代表守護神・川口能活の目に映った選手権優勝GKの資質

今年1月の全国高校サッカー選手権で青森山田を悲願の初優勝に導いた守護神、18歳の廣末陸がプロデビューを完封勝利で飾った。舞台は加入したFC東京がU‐23チームを参戦させているJ3。味の素フィールド西が丘で3月25日に行われた、SC相模原との第3節で初先発してチームの連敗を止めた。運命に導かれたかのように、相手チームには廣末が憧れ続けてきた元日本代表GK川口能活が所属している。41歳のレジェンドの目には、高校選手権優勝キーパーの後輩はどのように映っていたのか。(取材・文・藤江直人)

久保裕也、ハリルJ最大の発見か。指揮官が求めたストライカーの条件。期待への満額回答

UAE(アラブ首長国連邦)、タイ両代表にともに完封勝ちを収め、ワールドカップ・アジア最終予選のグループBで初めて首位に浮上した日本代表。個人にスポットをあてれば、最大の収穫となったのがFW久保裕也(ヘント)であることに異論はないだろう。2試合で2ゴール3アシストをマークした八面六臂の大活躍は、所属クラブでのパフォーマンスを含めて、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がストライカーに求める条件を完璧に満たしつつある。(取材・文・藤江直人)

倉田秋、非常事態で高まる期待。遠藤と今野の檄を糧にG大阪の苦労人が初の国内代表戦へ

ハリルジャパンの中盤に非常事態が発生している。不動のキャプテンの長谷部誠(フランクフルト)に加えて、敵地でのUAE(アラブ首長国連邦)代表戦で獅子奮迅の活躍を見せた今野泰幸(ガンバ大阪)と、高萩洋次郎(FC東京)までが骨折で離脱。今後の得失点差を考えれば大量得点での勝利がほしい28日のタイ代表戦(埼玉スタジアム)へ向けて、約1年7ヶ月ぶりに代表復帰を果たしたガンバの苦労人、28歳の倉田秋の存在が一気にクローズアップされてくる。(取材・文・藤江直人)

齋藤学“無双”の裏で見えた新生マリノスの課題。若きトリコロールが秘める無限の可能性

チームの象徴だった司令塔・中村俊輔が移籍するなど、このオフにチームの陣容が大きく変わった横浜F・マリノス。不安のほうが大きい中で臨んだ今季は「10番」とキャプテンを受け継いだMF齋藤学を中心に、若さとスピードを前面に押し出す痛快無比なサッカーを繰り出している。序盤戦を2勝1分け1敗で終えた新生マリノスが秘める可能性と、現時点で見えてきた課題を追った。(取材・文:藤江直人)

FC東京・徳永悠平、ルヴァン杯で放ったいぶし銀の存在感。背番号変更に込められた思い

21歳以下の若手を1人以上先発で起用することが義務づけられた、YBCルヴァンカップが15日に開幕した。ホームにベガルタ仙台を迎えたグループリーグ初戦を6‐0で圧勝したFC東京は、リオデジャネイロ五輪の代表候補にも名前を連ねた20歳のDF小川諒也を「若手育成枠」で起用した。若手の登竜門としての位置づけがさらに濃くなった舞台で、いぶし銀の存在感を放った33歳のベテラン、DF徳永悠平の背番号の変更に込められた思いを追った。(取材・文・藤江直人)

JFL社員選手からJ1へ。C大阪・清原翔平、30歳目前で1部デビュー果たした苦労人の足跡

浦和レッズが3‐1でセレッソ大阪を一蹴した4日のJ1第2節。後半16分にひとつのドラマが生まれた。セレッソの最初の交代カードとして、30歳を目前にしてのJ1デビューとなるMF清原翔平が投入された。JFLのSAGAWA SHIGA FCを皮切りに、ツエーゲン金沢でJFLからJ3をへてJ2を経験。断腸の思いとともに移籍した新天地セレッソでJ1昇格に貢献し、悲願でもあった埼玉スタジアムのピッチに立った遅咲きの苦労人の、波瀾万丈に富んだサッカー人生を追った。(取材・文・藤江直人)

盟友と父親が見たカズの雄姿。北澤、武田らが感服、50歳Jリーガーの存在価値

史上初の「50歳のJリーガー」が誕生した2月26日のJ2開幕戦には、FW三浦知良(横浜FC)の勇姿を目に焼きつけようと、かつて同じチームで戦った盟友たちも松本山雅FC戦が行われたニッパツ三ツ沢球技場に集結した。元日本代表で現在は日本サッカー協会理事などを務める北澤豪さん、武田修宏さん、そして父親の納谷宣雄さんの言葉を通して、50歳の現役Jリーガーの存在価値を探った。(取材・文・藤江直人)

キング・カズの真実。勝つために起用する指揮官。50歳現役もまだ通過点

日本サッカー界の歴史に、未来永劫に語り継がれる1ページが刻まれた。26日のJ2開幕戦。この日50回目の誕生日を迎えた横浜FCのFW三浦知良は、松本山雅FC戦で先発出場を果たし、史上初となる「50歳のJリーガー」になった。観戦に訪れた初代チェアマンの川淵三郎・日本サッカー協会最高顧問、横浜FCの中田仁司監督、そして決勝点をあげた25歳のMF野村直輝の言葉を通して、伝説を刻み続けるキング・カズの真実と50歳にして現役でプレーする価値を追った。(取材・文・藤江直人)

FC東京にもたらされた“化学反応”。高萩洋次郎と橋本拳人、ボランチが体現する「泥臭さ」

5人の日本代表経験者を加える大型補強を敢行したFC東京が、秘密に包まれてきたベールを脱いだ。昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズのホームに乗り込んだ25日のJ1開幕戦。FCソウルから加入した高萩洋次郎、リオデジャネイロ五輪代表候補の橋本拳人で組んだボランチがアントラーズの攻撃を幾度となく遮断。昨シーズンまでのFC東京にはない泥臭さを発揮する源泉となり、2007年6月30日を最後に遠ざかっていた鬼門の地・カシマスタジアムでの白星発進に導いた。(取材・文・藤江直人)

鹿島、新黄金期への第一歩。配分金の増額に合わせた強化プラン。勝ち組のサイクルへ

シーズンの幕開けを告げる18日のフジゼロックス・スーパーカップ2017で、昨シーズンの二冠王者・鹿島アントラーズが浦和レッズを3‐2で下した。国内三大タイトル独占だけでなく、ACLを制してFIFAクラブワールドカップへの再挑戦を目標に掲げる常勝軍団。レッズ戦で存在感を放ったFWペドロ・ジュニオール、MFレオ・シルバらの新戦力は、これから幕を開ける新伝説の序章にすぎない。(取材・文・藤江直人)

C大阪、清武獲得資金捻出の背景。約6億円にのぼる移籍金。ヤンマーの支援と不退転の覚悟

2017シーズンのJリーグが、いよいよ25日に開幕する。選手の移籍が活発化したなかで、ひときわ大きな注目を集めているのが3年ぶりにJ1の舞台で戦うセレッソ大阪だ。ハリルジャパンのトップ下を担う清武弘嗣を、ヨーロッパの冬の移籍市場が閉まる日本時間2月1日になってセビージャから完全移籍で獲得。500万ユーロ(約6億円)とされる高額の移籍金が捻出された背景には、玉田稔代表取締役社長をはじめとするセレッソ経営陣の不退転の覚悟があった。(取材・文・藤江直人)

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