藤江直人
阿部浩之&家長昭博という川崎Fの+α。優勝に多大な貢献、勝負強さ発揮した新戦力
川崎フロンターレが奇跡の大逆転劇で悲願の初タイトルを獲得し、幕を閉じた今シーズンの明治安田生命J1リーグ。大宮アルディージャに5発を見舞う快勝で鹿島アントラーズに勝ち点で並び、得失点差で追い抜いた2日の最終節。後半15分に生まれた、リードを3点に広げるキャプテンのFW小林悠のゴールは、長くフロンターレを支えてきたMF中村憲剛と小林が築いた土台に、今シーズンから加入したMF阿部浩之とMF家長昭博とが完璧に融合した結晶でもあった。(取材・文:藤江直人)
川崎F・中村憲剛、15年分の号泣。「やっぱり優勝はいいよね」。ようやく取れた胸のつかえ
川崎フロンターレが悲願の初タイトルを獲得した。首位・鹿島アントラーズを勝ち点2ポイント差で追う状況で迎えた、2日の明治安田生命J1リーグ最終節で大宮アルディージャを5‐0で一蹴。ジュビロ磐田と0‐0で引き分けたアントラーズと勝ち点72で並び、得失点差で上回る奇跡の逆転を成就させた。歓喜の瞬間が訪れた直後に等々力陸上競技場のピッチに突っ伏し、号泣したフロンターレひと筋15年のバンディエラ、MF中村憲剛(37)が胸中に抱いた思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
川崎F・谷口彰悟の激怒。奇跡の逆転優勝への覚悟。人事を尽くした先に待つ天命
奇跡の逆転優勝へ、川崎フロンターレが望みをつないだ。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝との関係で、1試合だけ分離開催された11月29日の浦和レッズ戦で、前半14分にキャプテンの小林悠があげた決勝点を死守。首位・鹿島アントラーズとの勝ち点差を2ポイント差に縮めて、12月2日の運命の最終節に臨む。レッズ戦であわや同点、そして終戦となる絶体絶命のピンチを救った直後に、チームメイトに対して激怒した日本代表DF谷口彰悟の覚悟を追った。(取材・文:藤江直人)
いわきFCが体現する日本サッカーの新基準。既存クラブとは明確に一線画す壮大な冒険【いわきFCの果てなき夢】
天皇杯全日本サッカー選手権大会でJ1の北海道コンサドーレ札幌を撃破するなど、痛快無比なジャイアントキリング旋風とともに脚光を浴びたいわきFC。J1から数えて7部に相当する、福島県社会人リーグ1部を主戦場としたアマチュア軍団は、既存のJクラブとは明らかに一線を画す壮大な夢を描いている。異彩を放つ挑戦を追う本シリーズ。第1回はクラブスローガン『WALK TO THE DREAM』に込められた思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
ACL制覇の浦和、阿部勇樹が流した涙。悪い時こそ先頭に立つ独自の主将像
浦和レッズが10年ぶり2度目の、日本勢としては2008シーズンのガンバ大阪以来となるアジア王者を獲得した。満員の埼玉スタジアムで行われた、25日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦。後半終了間際に決まった、0‐0の均衡を破るFWラファエル・シルバのゴールを守り切り、2戦合計で2‐1のスコアでアル・ヒラル(サウジアラビア)との死闘を制した直後に、キャプテンのDF阿部勇樹(36)が図らずも流した涙の意味を探った。(取材・文:藤江直人)
ぶれない男・槙野智章、“アンチ”も糧に心技体充実の時。「人生かけた闘い」、いざアジアの頂へ
浦和レッズが10年ぶり2度目のアジア制覇をかける、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦が、25日19時15分に埼玉スタジアムでキックオフを迎える。アル・ヒラル(サウジアラビア)との第1戦を1‐1で引き分けているレッズは、勝利はもちろんのこと、スコアレスドローでも優勝が決まる。最終ラインで際立つ強さと存在感を放ち、定位置を奪いつつあるハリルジャパンから好調を持続しているDF槙野智章(30)は一世一代の戦いを熱く、そして冷静に待っている。(取材・文:藤江直人)
「秋春制」への移行プラン、その論点は? JFAが語るメリット、Jリーグが示す難色
Jリーグの「シーズン移行」に関する議論が大詰めを迎えた。1993シーズンから採用されてきた春秋制を、ヨーロッパと同じ世界基準にしたいと提案してきた日本サッカー協会の田嶋幸三会長が、14日のJリーグ実行委員会に続いて21日の同理事会でもプレゼンテーションを実施し、移行するメリットを訴えた。これを受けて村井満チェアマンは12月の理事会で最終的な判断を下すと明言したが、約8割の実行委員が反対している現状もあり、否決されることが確実となっている。(取材・文:藤江直人)
徳島・渡大生、J2日本人得点王の涙。23ゴールを記録も、届かなかったJ1昇格PO
劇的な結末となった19日の明治安田生命J2リーグ最終節。試合終了間際に喫した失点で東京ヴェルディに屈し、王手をかけていたJ1昇格プレーオフ進出を逃した徳島ヴォルティスで、異彩を放ったのがFW渡大生だ。ヴェルディ戦でも一時は同点とするボレーを決めた24歳は得点ランキングで2位、日本人では最多となる23ゴールをマーク。オフの移籍市場で間違いなく脚光を浴びそうな、176センチ、62キロのボディに異能の得点感覚を宿したストライカーの思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
川崎Fの執念。失意のルヴァン杯決勝からの復活。奇跡への序章になることを信じて
川崎フロンターレが土壇場で踏みとどまった。負ければ鹿島アントラーズの連覇が決まる18日の明治安田生命J1リーグ第32節で、スコアこそ1‐0ながらシュート数では25対1とガンバ大阪を攻守両面で圧倒して、勝ち点差を4ポイントに縮めた。YBCルヴァンカップ決勝でセレッソ大阪に屈し、悲願の初タイトル獲得を逃してから2週間。失意のどん底に叩き落されたメンタルを蘇らせ、価値ある勝利を手にした3つの要因を、大黒柱のMF中村憲剛(37)の言葉から紐解いた。(取材・文:藤江直人)
大宮・石井正忠新監督が挑む「奇跡のJ1残留」。残り3試合で4ポイント差、火中の栗を拾う覚悟
リーグ戦が残り3試合の段階で、大宮アルディージャの監督に電撃就任した鹿島アントラーズ前監督の石井正忠氏(50)が7日、さいたま市内のクラブハウスで就任会見に臨んだ。古巣から託されたミッションは、現在17位のチームを逆転でJ1残留に導くこと。会見の途中で思わず目頭を熱くさせた新指揮官の脳裏に描かれていた、アントラーズを昨シーズンのJ1&天皇杯の二冠に導いた処方箋を、発売中の『フットボール批評issue18』で行ったロングインタビューから紐解いた。(取材・文:藤江直人)
鹿島V字回復のキーマン三竿健斗。常勝軍団の心臓部託された21歳ボランチの献身
鹿島アントラーズがJ1連覇に王手をかけた。浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝に進出した関係で、1試合だけ分離開催された5日の明治安田生命J1リーグ第32節で、5人の日本代表擁するACLのファイナリストから完封勝利をゲット。シーズン途中から指揮を執る大岩剛監督のもとでボランチのファーストチョイスとなり、常勝軍団を鮮やかにV字回復させるキーマン的な存在となっている21歳の新星、三竿健斗にスポットライトをあてた。(取材・文:藤江直人)
森島寛晃氏が見たC大阪の新たな歴史。2度の悲劇を経て、ついにたどり着いた初タイトル
セレッソ大阪が悲願の初タイトルを獲得した。埼玉スタジアムで川崎フロンターレと対峙した、4日のYBCルヴァンカップ決勝を2‐0で制して、通算12チーム目のカップウイナーズとして歴史に名前を刻んだ。フロントの一員として大一番を見守り、表彰式後には後輩たちの手で胴上げされた初代ミスター・セレッソ、森島寛晃氏(45)が抱いてきた思いをたどりながら、セレッソが歩んできた過去、現在、そして未来をあらためて描写する。(取材・文:藤江直人)
東京五輪へ、森保一監督が踏み出す第一歩。自国開催の強み、トルシエJの成功体験
2020年の東京五輪に臨むサッカーの男子代表監督に就任した、サンフレッチェ広島の森保一前監督(49)が10月30日、東京・文京区のJFAハウスで就任会見に臨んだ。目標として掲げる52年ぶりとなるメダル獲りへ、アジア予選を含めた真剣勝負のないスケジュールを逆にメリットとしてとらえ、出場資格をもつ1997年1月1日以降に生まれたすべての選手たちを対象に、日本サッカー界を挙げて情報を収集しながらベストかつ最強の五輪代表を作り上げていくと宣言した。(取材・文:藤江直人)
湘南、曹監督という羅針盤。試行錯誤経て到達したJ2優勝、新しい「湘南スタイル」
1年でのJ1昇格を28日に決めていた湘南ベルマーレが、3年ぶり2度目のJ2優勝で喜びに花を添えた。ホームにファジアーノ岡山を迎えた29日の明治安田生命J2リーグ第39節で、後半終了間際に追いつかれながらも、今シーズンを象徴する粘り強さを発揮して1‐1のドローで逃げ切った。1年前はドイツでの充電も視野に入れていた曹貴裁(チョウ・キジェ)監督が一転して6年目の指揮を執り、これまでとは異なる「湘南スタイル」を発動させるまでの試行錯誤を追った。(取材・文:藤江直人)
浦和・長澤和輝、急速に増す存在感。ハリルJ入りも期待。“逆輸入”選手がドイツで備えた術
10年ぶりのアジア王者を目指す浦和レッズで、ブンデスリーガ帰りのMF長澤和輝の存在感が増している。専修大学から加入したケルンで重心が低く、力強いプレースタイルを身につけた25歳は、22日のガンバ大阪との明治安田生命J1リーグ第30節でJ1初先発。大雨で劣悪なピッチ状態となった埼玉スタジアムで、豊富な運動量と球際における強さを存分に披露し、視察に訪れていた日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督を「いい発見だ」と称賛させた。(取材・文:藤江直人)
札幌・稲本潤一の大仕事。約1年3ヶ月の空白を経て。38歳ベテランが導いたJ1残留王手
北海道コンサドーレ札幌が15戦目にしてアウェイ初勝利をあげて、16年ぶりのJ1残留へ王手をかけた。味の素スタジアムで行われたFC東京との21日の明治安田生命J1リーグ第30節で、FWジェイがあげた2ゴールをチーム一丸となって死守。あわや同点のピンチを迎えた後半31分には、直前に投入されていたMF稲本潤一がこん身の帰陣から会心のパスカットに成功。38歳になったベテランの濃密な経験値と状況判断力が凝縮された、語り継がれていくプレーに迫った。(取材・文:藤江直人)
いまでも「責任を感じている」金崎夢生との一件。前鹿島監督・石井正忠の回想録【インタビュー】
常勝軍団・鹿島アントラーズの歴史にさん然と輝くタイトルや激戦の系譜を刻みながら、今年5月31日に解任された石井正忠前監督(50)。11月6日発売の『フットボール批評issue18』では、次なる挑戦へ向けて充電中の石井氏へのロングインタビューを敢行。波瀾万丈に富んだ自身の経験を踏まえながら、監督の仕事を冷静な分析とともに振り返っていくなかで、いまも「責任を感じている」と残念がる一件を明かしてくれた。先んじてその一端を紹介する。(取材・文:藤江直人)
浦和が準備した守備の3ヶ条。フッキら擁する上海上港を完封で、いざACL決勝へ
浦和レッズが10年ぶり、日本勢としては2008シーズンのガンバ大阪以来、9年ぶりとなるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝進出を決めた。ホームの埼玉スタジアムに上海上港(中国)を迎えた準決勝第2戦を1‐0で制し、2戦合計で2‐1と振り切った。ハードワークと球際における激しい守備で強力攻撃陣を擁する上海を完封した、ハリルジャパンにも共通する泥臭いサッカーを具現化させた「守備の3ヶ条」を、DF槙野智章やGK西川周作の言葉から追った。(取材・文:藤江直人)
川崎F・小林悠、手繰り寄せた奇跡。見出した独自のキャプテン像、成長が具現化した劇的2ゴール
退場者を出して一人少ない状況で、なおかつ2点をリードされる絶体絶命の苦境を、後半終了間際に飛び出した怒涛の3連続ゴールでひっくり返す。Jリーグ史上に残る大逆転劇が生まれた14日の明治安田生命J1リーグ第29節。同点&逆転弾をベガルタ仙台のゴールに突き刺し、ホームの等々力陸上競技場に詰めかけたファンやサポーターを熱狂させた川崎フロンターレのキャプテン、FW小林悠の心に生まれていた「ある変化」が、奇跡の勝利を手繰り寄せた。(取材・文:藤江直人)
川崎Fの歴史が凝縮された90分。ルヴァン杯決勝進出、ACLの悔しさ糧に悲願の初タイトルへ
川崎フロンターレが前身のヤマザキナビスコカップ時代の2009シーズン以来、8年ぶり4度目の決勝進出を決めた。ホームの等々力陸上競技場にベガルタ仙台を迎えた8日のYBCルヴァンカップ準決勝第2戦で、退場者を出して一人少ない状況ながら3‐1で勝利。第1戦の黒星から2戦合計スコアで5‐4と逆転した90分間には、大黒柱のMF中村憲剛が経験した6度の“2位”を触媒として、2000年代から紡がれてきたフロンターレの進化の歴史が凝縮されていた。(取材・文:藤江直人)
川崎F・車屋紳太郎、SB転向3年目で挑む日本代表。ハリルが探し求める左利き選手の武器
日本代表に初選出されたDF車屋紳太郎(川崎フロンターレ)が、新たな武器を身につけつつある。セレッソ大阪をホームの等々力陸上競技場に迎えた9月30日の明治安田生命J1リーグ第28節で、コントロールを重視した低速クロスで後半7分のDFエウシーニョのゴールの起点になった。大黒柱のMF中村憲剛も絶賛する身体能力の高さに、稀有な左利きの左サイドバックだからこそ放てる技ありのクロスを融合させて、ハリルジャパンへの定着をかけた戦いに挑む。(取材・文:藤江直人)
ハリルJ、なぜ新戦力は車屋のみ? W杯本大会へ、サバイバルかかる2連戦
ニュージーランド代表(10月6日、豊田スタジアム)、ハイチ代表(同10日、日産スタジアム)とのキリンチャレンジカップ2017に臨む日本代表メンバー24人が28日、日本サッカー協会から発表された。初招集はDF車屋紳太郎(川崎フロンターレ)だけで、これまで招集されながら出場時間が少なかった選手が中心の編成となった理由を、都内で記者会見に臨んだヴァイッド・ハリルホジッチ監督の言葉から読み取った。(取材・文:藤江直人)
鹿島を復活させた「3つの要求」。王者に隙なし、J1記録での連覇も視野に
王者・鹿島アントラーズが独走態勢に入った。ガンバ大阪をカシマサッカースタジアムに迎えた23日の明治安田生命J1リーグ第27節で、後半アディショナルタイムにDF植田直通が劇的な決勝ゴールを決めて5連勝をマーク。序盤戦の不振から、大岩剛監督の就任とともに鮮やかなV字回復を遂げた今シーズン。3連覇が途切れた2010シーズン以降では最多となる「61」の勝ち点を獲得し、2位の柏レイソルに8ポイント差をつける圧倒的な強さの源泉を探った。(取材・文・藤江直人)
筑波大学、天皇杯16強敗退も“ジャイキリ”連発で残した衝撃。青年たちが経た大冒険
第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会で、Jリーグ勢相手にジャイアントキリングを演じ続けた筑波大学(茨城県代表)の旋風が止まった。カシマサッカースタジアムでJ1の大宮アルディージャと対峙した20日の4回戦で0‐2と敗れ、1992年のJリーグ発足後では初めてとなる大学勢のベスト8進出を逃した。卒業後にはジュビロ磐田への加入が内定しているFW中野誠也(4年)が“幻”の同点ゴールを放つなど、互角以上の戦いを演じた90分間の価値を追った。(取材・文:藤江直人)
齋藤学、「不安」からの解放。出場24戦目の今季初ゴール、横浜FM「10番」・主将の反撃
横浜F・マリノスのMF齋藤学が、出場24試合目にして待望の今シーズン初ゴールをあげた。柏レイソルを日産スタジアムに迎えた、16日の柏レイソルとの明治安田生命J1リーグ第26節の前半9分に鮮やかなミドルシュートを一閃。レイソルとの上位対決は無念の引き分けに終わり、残り8試合で首位・鹿島アントラーズとの勝ち点差は10ポイントに広がったが、今シーズンからキャプテンと「10番」を引き継いだ27歳のエースはファイティングポーズを失っていない。(取材・文:藤江直人)
浦和、怒涛の4連続ゴールで奇跡の逆転準決勝進出。ぶれなかった「ACL制覇」の目標
浦和レッズが奇跡の逆転勝利をあげて、2008シーズン以来、通算3度目となるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のベスト4進出を決めた。川崎フロンターレの先勝で迎えた13日の準々決勝第2戦で、前半19分に先制される苦境から怒涛の4連続ゴールをゲット。2戦合計で5‐4と大逆転を果たしたホーム・埼玉スタジアムでの大一番にかけた3人のベテラン、FW興梠慎三(31)、MF柏木陽介(29)、DF槙野智章(30)が胸中に秘めた思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
大島僚太の急激な進化。中村憲剛が日本代表復帰に太鼓判、川崎Fの背番号10
優勝戦線への生き残りをかけた大一番で、川崎フロンターレのMF大島僚太が眩い存在感を放った。14戦連続負けなしの横浜F・マリノスを等々力陸上競技場に迎えた9日の明治安田生命J1リーグ第25節で、開始14分に今シーズン初ゴールとなる先制弾を一閃。守っても献身的で、球際も激しい守備で3‐0の完封勝利に貢献した。ハリルジャパンから遠ざかること約1年。怖さを増す「10番」に、大黒柱のMF中村憲剛は「得点力がついてくれば、普通に代表でやれる」と太鼓判を押した。(取材・文:藤江直人)
浅野拓磨、殊勲のゴールも強める危機感。約1年ぶりの先発、確固たる居場所を築くために
ハリルジャパンのスピードスター、FW浅野拓磨(シュツットガルト)が生き残りへ向けて決意を新たにしている。6大会連続6度目のワールドカップ出場を決めたオーストラリア代表戦で約1年ぶりに先発として抜擢され、均衡を破る先制ゴールもゲット。歴史にその名を刻んだが、歓喜のシーン以外のパフォーマンスには到底満足していない。むしろ危機感を強めて、ロシア大会までに残された約9ヶ月間で総合的な力を高め、日本代表のなかに確固たる居場所を築きあげようと自らを奮い立たせている。(取材・文:藤江直人)
長谷部誠とハリルの絆。日本代表不動のキャプテン、代えの利かない大黒柱が胸中に抱くもの
ハリルジャパンが歴史を変えた。ワールドカップ予選で5分け2敗と未勝利だったオーストラリア代表と対峙した、8月31日のアジア最終予選(埼玉スタジアム)で攻守ともに難敵を圧倒。2‐0の快勝劇で6大会連続6度目の本大会出場を決めた。右ひざの手術を乗り越え、昨年11月以来の復帰を果たしたMF長谷部誠(33)はアンカーとして先発フル出場。3度目のヒノキ舞台となるロシア大会へ。4人の歴代代表監督のもとでキャプテンを務めてきた、代役の利かない大黒柱が胸中に抱く思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
長友佑都、決戦直前も周囲に与える余裕。オーストラリア撃破へ、修羅場くくったベテランの経験
勝てば日本代表の6大会連続6度目のワールドカップ出場が決まる、オーストラリア代表とのアジア最終予選第9戦が31日午後7時35分、埼玉スタジアムでキックオフを迎える。帰国直前のセリエAで左太ももに張りを訴え、途中交代していた左サイドバックの長友佑都(インテル・ミラノ)も心配無用とばかりに、冒頭15分間以外は非公開で行われた29日の練習を消化した。来月には31歳になるベテランが描く難敵の攻略法と、胸の奥底に脈打たせる日本代表への熱き思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
C大阪・杉本健勇、満を持しての日本代表招集。悔しさを起爆剤に。進化続ける心技体
勝てば6大会連続6度目のワールドカップ出場が決まる、31日のオーストラリア代表とのアジア最終予選第9戦(埼玉スタジアム)へ向けて、ハリルジャパンが27日に埼玉県内で始動した。27人の代表メンバーのなかで唯一の初招集となるセレッソ大阪の大型ストライカー・杉本健勇(24)は、0‐1で苦杯をなめた26日夜の鹿島アントラーズとの首位攻防戦で募らせた悔しさを起爆剤にして、いままさに進化を遂げている心技体をさらにスケールアップさせていく。(取材・文:藤江直人)
川崎Fが到達した新境地。クラブ史上初のACLベスト4へ、中村憲剛の確かな手応え
日本勢同士の激突となった、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第1戦を川崎フロンターレが制した。ホームの等々力陸上競技場に浦和レッズを迎えた23日の大一番で3ゴールを奪い、守っては1失点に封じてクラブ史上初のベスト4進出へ王手をかけた。鬼木達新監督のもとでなかなかエンジンがかからなかった序盤戦から右肩上がりの復活曲線を描き、クラブの歴史に新たな1ページを刻もうとしている要因を、チームひと筋15年目のバンディエラ、MF中村憲剛(36)の言葉から紐解いた。(取材・文:藤江直人)
家長昭博、笑顔輝く完全復活。苦しみ抜いた末の祝福、フロンターレ進撃のエンジンに
川崎フロンターレのMF家長昭博(31)が、待望の移籍後初ゴールを挙げた。ホームの等々力陸上競技場に首位・鹿島アントラーズを迎えた、13日のJ1第22節の後半27分にあえてスピードを殺した、芸術的な一撃をゴール左隅へ流し込んだ。大宮アルディージャから加入して約7ヶ月。開幕直後に負ったけがもあって、思うような結果を残せなかったレフティーがようやく輝かせた笑顔が、王者を3‐1で撃破し、勝ち点4差に肉迫したフロンターレをさらに加速させていく。(取材・文:藤江直人)
浦和・関根貴大、「レッズのプライドをもって」新天地ドイツへ。万感の思いが緩めた涙腺
浦和レッズからブンデスリーガ2部のインゴルシュタットへ移籍するMF関根貴大(22)が10日、笑顔で新天地へ旅立った。前夜は敵地・山梨中銀スタジアムで行われた、ヴァンフォーレ甲府とのJ1第21節に先発出場。後半38分までプレーし、堀孝史監督体制におけるレッズの初勝利と15試合ぶりとなる完封劇を見届けた。正式なオファーが届いてから10日あまり。ジュニアユースからひと筋で育ったドリブラーの揺れた胸中と決断に至った経緯、ドイツでの決意、そして古巣への思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
神戸・ポドルスキが与える別次元の緊張感。W杯優勝選手と対峙、J1守備陣への相乗効果
デビューから2試合連続ゴールを狙った、ヴィッセル神戸のFWルーカス・ポドルスキ(32)が不発に終わった。敵地・日立柏サッカー場に乗り込んだ5日のJ1第20節で放ったシュートわずか2本、いずれも枠外と精彩を欠き、ヴィッセルも1‐3の逆転負けを喫した。元ドイツ代表の「10番」がもつワールドクラスの左足は、対峙した柏レイソルの若きセンターバックコンビ、中谷進之介(21)と中山雄太(20)のモチベーションをも高め、心技体のすべてで成長を促す相乗効果を早くも生み出している。(取材・文:藤江直人)
大卒後シンガポールのMVP経てJ1デビュー。“逆輸入Jリーガー”、新潟・河田篤秀の軌跡
異色のオールドルーキーが、待望のJ1デビューを果たした。FC東京と対峙した7月30日のJ1第19節で、後半26分から敵地のピッチに立ったアルビレックス新潟のFW河田篤秀(24)。セレッソ大阪U‐18への昇格をあえて断り、阪南大学卒業後にはアルビレックス新潟シンガポールで2年間プレー。昨シーズンのシンガポールリーグMVPを引っさげ、いわゆる“逆輸入”の形で完全移籍したJリーガーの、波瀾万丈の軌跡とポジティブな思考に富んだサッカー人生を追った。(取材・文・藤江直人)
サガン鳥栖、右肩上がりのスポンサー収入。2つの分岐点、現社長就任とCygames社との契約
2016年度におけるJリーグの全53クラブの経営情報が出そろった。3月期決算の3クラブのそれが7月下旬に開示されたなかで、先行発表された5月下旬から顕著だった傾向がさらに鮮明になった。営業収益(売上高)のなかで入場料収入が微増となっている一方で、広告料収入が大きな伸びを示している。J1ではトップの伸び率となる前年度比35.6%増の16億3100万円を計上して、Jリーグ全体のけん引役にもなっているサガン鳥栖の舞台裏を追った。(取材・文:藤江直人)
神戸・ポドルスキ、J1デビュー戦で見せた異次元。W杯優勝戦士、勝利への貪欲な執念と献身
ヴィッセル神戸入りした元ドイツ代表で一時代を築いたストライカー、FWルーカス・ポドルスキ(前ガラタサライ)が鮮烈なJ1デビューを飾った。大宮アルディージャをホームのノエビアスタジアム神戸に迎えた、7月29日のJ1第19節で先制&決勝と挨拶代わりの2ゴールをゲット。日本サッカー界へ衝撃を与えた一方で、32歳のレジェンドが見せた勝利への貪欲なまでの執念と、文化も風習もすべてが異なる新天地・日本へ一刻も早く溶け込もうとする必死な思いを追った。(取材・文:藤江直人)
広島、約10年親しんだ“可変システム”との決別。J1残留に向け採用された4バック
独自の「可変システム」で黄金時代を築いたサンフレッチェ広島が、新たな一歩を踏み出した。J2降格圏に低迷する不振の責任を取り、今月3日に電撃退任した森保一前監督の後任として招聘されたヤン・ヨンソン新監督が、初陣となる26日のFC東京とのYBCルヴァンカップ・プレーオフステージ第2戦で「4‐2‐3‐1」を採用。試合は0‐1で苦杯をなめ、2試合合計で0‐2のスコアで敗退したが、過去の栄光を断ち切り、クラブ一丸となってJ1残留を含めた未来へ向かう姿勢を力強く示した。(取材・文:藤江直人)
ルヴァン杯、17年ぶりJ2クラブ参戦という一大改革。日程面の問題と競技上の公平性は?
Jリーグは25日に都内で開催した理事会で、J1の18クラブが参加しているYBCルヴァンカップに、来シーズンからJ2のクラブを最大2チーム参加させることを決めた。対象となるのは、前シーズンのJ1で16位及び17位となり、J2に降格した2チーム。前身のヤマザキナビスコカップ時代を含めて、J2のクラブが参戦するのは2001シーズン以来となる。大きな改革のメスを入れた意図に迫った。(取材・文:藤江直人)
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