藤江直人
浦和・山田直輝を救った湘南・曹監督の“治療“。一皮むけた元日本代表MFの決意
産声をあげてから25年になるJリーグが、23日のサガン鳥栖対ヴィッセル神戸(ベストアメニティスタジアム)で幕を開ける。J1で注目される選手の一人が、期限付き移籍していた湘南ベルマーレから4年ぶりに浦和レッズへ復帰したMF山田直輝(27)となる。18歳にして日本代表に選出された当時の輝きを取り戻し、メンタル的にも成長したベルマーレでの3年間は、さまざまな治療をほどこした曹貴裁(チョウ・キジェ)監督(49)と真正面から向き合ってきた濃密な日々でもあった。(取材・文:藤江直人)
練習の6~7割が筋トレ、直後に500g超の肉を摂取。いわきFCのフィジカル革命【いわきFCの果てなき夢】
日本のフィジカルスタンダードを変える――2018年はJ1から数えて6部に相当する、東北社会人2部南リーグを主戦場とするいわきFCが掲げる壮大な夢のひとつだ。血液検査で栄養バランスをチェックし、遺伝子検査も導入して個々に合ったメニューを作成し、練習の6割から7割を筋力トレーニングにあてる。昨夏からは「肉トレ」と命名された食事革命も施されるなど、日本サッカー界でも前例のない、異端にも映るチャレンジの跡を追った。(取材・文:藤江直人)
カギ握る内田篤人。アントラーズが取り戻すべき“鹿島らしさ”。まさかの無冠からの逆襲へ
前人未踏のリーグ3連覇を知るDF内田篤人(前ウニオン・ベルリン)が、7年半ぶりに復帰したことでオフの注目を集めた鹿島アントラーズ。上海申花(中国)と1‐1で引き分けた、14日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループリーグ初戦では内田が移籍後初の先発フル出場を果たした。まさかの無冠に終わった昨シーズンからの捲土重来を期す常勝軍団のなかで、日本代表としても活躍した29歳の右サイドバックは、すでにさまざまな相乗効果をもたらしている。(取材・文:藤江直人)
湘南・曹監督が見抜いた梅崎司の本音。元日本代表が感じた浦和での葛藤と成長への渇望
10年間も所属した浦和レッズから、2年ぶりにJ1の舞台へ挑む湘南ベルマーレの一員となったMF梅崎司(30)。ベテランの域に差しかかっていた元日本代表は、なぜ愛着深いレッズとの契約を延長するオファーを断り、新天地へ完全移籍する道を選択したのか。都内で初交渉が行われた昨年12月中旬。席上で響いた「もったいない」というひと言が梅崎と、声の主であるベルマーレの曹貴裁(チョウ・キジェ)監督(49)がそれぞれ抱いていた思いを鮮やかにシンクロさせていた。(取材・文:藤江直人)
「小嶺先生を見返してやる」。C大阪に加入、高校No.1ストライカー・安藤瑞季の誓い
高校ナンバーワンストライカーの肩書とともに、セレッソ大阪に加入したU-19日本代表FW安藤瑞季が一風変わった目標を掲げている。長崎総合科学大学附属高校(長崎)での3年間を通して、妥協を許さない厳しい指導で身心を鍛えあげてくれた名将・小嶺忠敏監督(72)を「見返してやる、という気持ちがすごくある」と公言した。そこにはセレッソ入りが発表される昨年末までの約4ヶ月半に及んだ、卒業後の進路を巡るそれぞれの思いを真正面からぶつけあった日々があった。(取材・文:藤江直人)
川崎F、豪華すぎる攻撃陣。大久保嘉人、齋藤学も獲得。昨季王者は4冠制覇も視野に
オフに積極的な補強を行ったJ1王者・川崎フロンターレが、天皇杯王者のセレッソ大阪と対峙する10日のFUJI XEROX SUPER CUP 2018(埼玉スタジアム)でシーズン初陣に臨む。J1最終節で奇跡の大逆転を演じ、悲願の初タイトルを手にした昨シーズンの主力が全員残留。そこへ屈指の点取り屋・大久保嘉人(前FC東京)、シーズン序盤の復帰を目指すMF齋藤学(前横浜F・マリノス)らが加わる新生フロンターレは、どのような集団へ変貌を遂げようとしているのか。(取材・文:藤江直人)
食事改革をも要した異質な戦術。J2千葉・2年目のエスナイデル監督が描く青写真
就任2年目のシーズンに臨むアルゼンチン人のフアン・エスナイデル監督(44)のもと、10年ぶりのJ1昇格を目指すジェフユナイテッド千葉が改革を加速させている。ピッチ内の改革の象徴がハイライン&ハイプレスならば、ピッチ外のそれは徹底した食事改革。2月6日発売の『フットボール批評issue19』(カンゼン)で行った指揮官へのロングインタビューと、飛躍的にパフォーマンスを向上させている両ベテラン、キャプテンのDF近藤直也(34)、最年長のMF佐藤勇人(35)の言葉から食事改革の効果を紐解いた。(取材・文:藤江直人)
鹿島で躍動する内田篤人。コンディションは良好、「背番号2」が早くも示す存在感
約7年半ぶりに鹿島アントラーズへ復帰した内田篤人(前ウニオン・ベルリン)が、開幕へ向けてしっかりと居場所を築きあげている。敵地で3日に行われた、J2水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチで右サイドバックして先発。移籍後では最長となる81分間のプレーのなかで、キャプテンのMF小笠原満男とのホットラインを蘇らせただけでなく、途中出場の安西幸輝を背後から上手くフォロー。「使われる側」と「使う側」の両方で、まばゆい輝きを放ちつつある。(取材・文:藤江直人)
ハリルが危惧する「最悪の事態」。屋台骨揺らぐ日本、目玉選手不在の可能性も【ロシアW杯全32チーム紹介】
6月14日に開幕する2018FIFAワールドカップロシア。グループリーグの組み合わせも決定し、本大会に向けて期待感は高まるばかりだ。4年に一度開催されるサッカーの祭典には各大陸予選を勝ち抜いた32チームが参加する。フットボールチャンネルでは、その全チームを紹介していきたい。最後はグループHの日本代表を取り上げる。(文:藤江直人)
Jリーグ史上初、観戦者が若年化の要因。映像制作著作権の移行で可能になったSNS戦略
Jリーグは1月29日、東京・文京区のJFAハウスで2017シーズンのスタジアム観戦者調査のメディア報告会を開催した。若年層のファンやサポーターを新規に獲得できない状況が長く懸案事項とされてきたなかで、J1およびJ2の来場者の平均年齢が前年比0.1歳増の41.7歳と上げ止まり、特にJ1は0.7歳減の40.1歳を記録。調査がスタートした2004シーズン以降で、初めて前年比でマイナスに転じた背景にあるものを追った。(取材・文:藤江直人)
湘南・曹監督、清宮父との交流で得た指導観。「主将は決めない」。就任7年目の初挑戦
2年ぶりにJ1の舞台に挑む湘南ベルマーレが、新たなチャレンジに取り組んでいる。キャプテンと副キャプテンを決めないまま今月11日に始動し、22日からはスペイン・マラガでのキャンプを開始させた。主将や副主将を決めないのは、指揮を執って7年目となる曹貴裁(チョウ・キジェ)監督にとっても初めてのアプローチ。49歳になっても情熱をたぎらせる指揮官が描く青写真と、前身の藤和不動産サッカー部創立から50周年となるメモリアルイヤーのスローガンにすえた『ALIVE』との関係を追った。(取材・文:藤江直人)
川崎Fへ移籍の大久保嘉人と齋藤学、それぞれの決断理由。覚悟と決意が加える新たな力
悲願でもあったJ1王者の称号を背負った川崎フロンターレが21日、2018シーズンの新体制発表会見を川崎区内のカルッツかわさきで開催した。ファンやサポーターの大きな拍手と熱い声援で迎えられたのは、FC東京から加入したFW大久保嘉人(35)と横浜F・マリノスから加入したMF齋藤学(27)。1年で出戻る形となった前者と“禁断”の移籍だとして激しいバッシングを浴びている後者は、実力に覚悟と決意を添えて、追われる側となったフロンターレに新たな力を加える。(取材・文:藤江直人)
FC東京、“ぬるま湯体質”脱却へ。長谷川イズムの注入、4ヶ条の徹底で「あるべき姿」に
FC東京の長谷川健太新監督(52)が、早くもイズムを全開にしてチーム改革に着手している。清水エスパルスを強豪に復活させ、昨シーズンまで率いたガンバ大阪では2014シーズンの三冠独占を含めた4つのタイトル獲得を導いた源泉となる「厳しさ」を前面に押し出し、チーム内に巣食ったぬるま湯的な体質をまずは駆逐。ポテンシャルを秘めながら手が届かなかったリーグ戦のタイトルに照準をすえて、選手間の競争意識をあおりながら戦う集団へと変貌させていく。(取材・文:藤江直人)
2冠のC大阪、水沼宏太のピッチ内外での貢献。完全移籍で理想の仲間とさらなる飛躍へ
元日の天皇杯決勝で逆転ゴールを決めて、セレッソ大阪にYBCルヴァンカップとの二冠をもたらしたMF水沼宏太(27)が完全移籍に移行することが11日に決まった。FC東京から期限付き移籍で加入した昨シーズン。無尽蔵のスタミナと泥臭い魂を感じさせる献身的なプレーで、アカデミー育ちでスマートな選手たちが多いセレッソを内側から変えた立役者は、引き続き指揮を執る恩師ユン・ジョンファン監督のもと、巡り会えた理想のチームでプロ11年目のシーズンに臨む。(取材・文:藤江直人)
「海外のサッカースクールではお金なんて取らない」。いわきFC、地域を巻き込んだ未来への投資【いわきFCの果てなき夢】
天皇杯全日本サッカー選手権でJ1の北海道コンサドーレ札幌を撃破するなど、2017年の日本サッカー界に強烈すぎるほどのインパクトを残したいわきFC。2018年はJ1から数えて6部に相当する、東北社会人2部南リーグを主戦場とするアマチュア軍団は、行政を含めた地域を力強く巻き込む象徴となり、大きく広がりを見せる輪の中核を担っている。異彩を放つ挑戦を追う本シリーズ。第3回は予想を上回るスピードで深まっている、いわきFCといわき市の絆を追った。(取材・文:藤江直人)
内田篤人、鹿島復帰で担う使命。7年半ぶり帰還の「背番号2」がつなぐ常勝軍団のバトン
プロの第一歩を踏み出した古巣、鹿島アントラーズに約7年半ぶりに復帰した元日本代表DF内田篤人(前ウニオン・ベルリン)が9日、復活を期す2018シーズンへ始動した。同日に茨城県鹿嶋市内で行われた、チームのシーズン初練習で約1時間半にわたってすべてのメニューを消化。3年前から苦しめられてきた右ひざへの不安はまったくないと強調した内田は、昨シーズンを無冠で終えた常勝軍団を背中で引っ張るために、歴史と伝統が凝縮されたバトンを力強く握りしめる。(取材・文:藤江直人)
悲願の選手権初優勝。双子の涼と悠、前橋育英の中盤支えた田部井兄弟の絆
前橋育英(群馬)が悲願の初優勝を勝ち取った。インターハイとの二冠を目指す流通経済大柏(千葉)と埼玉スタジアムで対峙した、8日の第96回全国高校サッカー選手権大会決勝で、後半アディショナルタイムにFW榎本樹(2年)が0‐0の均衡を破る劇的な決勝弾を一閃。昨年の決勝で青森山田(青森)に0‐5の惨敗を喫してから1年。屈辱を糧にはい上がってきた軌跡を、キャプテンを務めた涼、副キャプテンの悠の田部井兄弟(3年)が抱いた思いをもとに追った。(取材・文:藤江直人)
天皇杯で躍進、いわきFCを作った2人の男。投資価値が見出されたクラブのあり方【いわきFCの果てなき夢】
天皇杯全日本サッカー選手権でJ1の北海道コンサドーレ札幌を撃破するなど、衝撃的なジャイアントキリング旋風とともに脚光を浴びたいわきFC。2018年はJ1から数えて6部に相当する、東北社会人2部南リーグを主戦場とするアマチュア軍団の源流をたどると、時代が平成になった直後に偶然にも出会った、2人の男に行き着く。異彩を放つ挑戦を追う本シリーズ。第2回はクラブと親会社のトップが、四半世紀近い時空を乗り越えて共有したロマンに迫る。(取材・文:藤江直人)
好転するJリーグ。DAZN“裏効果”で観客動員数が向上、ルヴァン杯変革による育成への期待
Jリーグの2017シーズンを総括するメディアブリーフィングが21日、東京・文京区のJFAハウスで開催された。村井満チェアマン(58)がピッチ外を、原博実副理事長(59)がピッチ内をそれぞれ振り返ったなかで、前者で観客動員数、後者では課題だった若手の育成でポジティブな変化が見られたことが報告された。特に大幅増となったJ1の観客動員数には、2017シーズンからJ3までを含めた全試合を配信している『DAZN(ダ・ゾーン)』に導かれた、意外な変化が寄与していた。(取材・文:藤江直人)
“ハリルの呪縛”に縛られた選手たち。歴史的惨敗の原因、後味の悪さだけが残った日韓戦
日本代表が歴史的惨敗を喫した。引き分け以上で2大会ぶり2度目の優勝が決まった、16日の韓国代表とのEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会最終戦で、開始早々にPKで先制しながら守備陣が崩壊。ホームにおける韓国戦では実に63年ぶりとなる4失点を喫し、スタンドから痛烈なブーイングを浴びた。来年のワールドカップ・ロシア大会へ向けた、国内組の最後のオーディションと位置づけられた大会の最後になって、攻守に著しく精彩を欠いた原因を追った。(取材・文:藤江直人)
植田直通、右SBで躍動の因果。ベンチでの学びが結実。3年越しの日本代表デビュー
初招集から3年近い歳月をへて、DF植田直通(鹿島アントラーズ)が待望のA代表デビューを果たした。味の素スタジアムで中国代表と対峙した、12日のEAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会第2戦で、本職のセンターバックではなく右サイドバックとして先発フル出場。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督から及第点を与えられた23歳は、さらに仕留めがいのある獲物を求めて、引き分け以上で2大会ぶり2度目の優勝が決まる12日の韓国代表との最終戦を見すえる。(取材・文:藤江直人)
無名の存在からハリルJのジョーカーへ。柏・伊東純也が右サイドにもたらす推進力
終了間際に決まったMF井手口陽介(ガンバ大阪)の劇的なゴールで、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)代表を1‐0で下し、EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会で白星発進したハリルジャパン。味の素スタジアムのピッチに送り込まれた14人の国内組のなかで、ビッグセーブを連発したGK中村航輔とともに存在感を示したのがFW伊東純也(ともに柏レイソル)だった。群を抜くスピードを武器に積極果敢に仕掛け続けた、ロシア大会の秘密兵器候補の現在地を追った。(取材・文・藤江直人)
阿部浩之&家長昭博という川崎Fの+α。優勝に多大な貢献、勝負強さ発揮した新戦力
川崎フロンターレが奇跡の大逆転劇で悲願の初タイトルを獲得し、幕を閉じた今シーズンの明治安田生命J1リーグ。大宮アルディージャに5発を見舞う快勝で鹿島アントラーズに勝ち点で並び、得失点差で追い抜いた2日の最終節。後半15分に生まれた、リードを3点に広げるキャプテンのFW小林悠のゴールは、長くフロンターレを支えてきたMF中村憲剛と小林が築いた土台に、今シーズンから加入したMF阿部浩之とMF家長昭博とが完璧に融合した結晶でもあった。(取材・文:藤江直人)
川崎F・中村憲剛、15年分の号泣。「やっぱり優勝はいいよね」。ようやく取れた胸のつかえ
川崎フロンターレが悲願の初タイトルを獲得した。首位・鹿島アントラーズを勝ち点2ポイント差で追う状況で迎えた、2日の明治安田生命J1リーグ最終節で大宮アルディージャを5‐0で一蹴。ジュビロ磐田と0‐0で引き分けたアントラーズと勝ち点72で並び、得失点差で上回る奇跡の逆転を成就させた。歓喜の瞬間が訪れた直後に等々力陸上競技場のピッチに突っ伏し、号泣したフロンターレひと筋15年のバンディエラ、MF中村憲剛(37)が胸中に抱いた思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
川崎F・谷口彰悟の激怒。奇跡の逆転優勝への覚悟。人事を尽くした先に待つ天命
奇跡の逆転優勝へ、川崎フロンターレが望みをつないだ。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝との関係で、1試合だけ分離開催された11月29日の浦和レッズ戦で、前半14分にキャプテンの小林悠があげた決勝点を死守。首位・鹿島アントラーズとの勝ち点差を2ポイント差に縮めて、12月2日の運命の最終節に臨む。レッズ戦であわや同点、そして終戦となる絶体絶命のピンチを救った直後に、チームメイトに対して激怒した日本代表DF谷口彰悟の覚悟を追った。(取材・文:藤江直人)
いわきFCが体現する日本サッカーの新基準。既存クラブとは明確に一線画す壮大な冒険【いわきFCの果てなき夢】
天皇杯全日本サッカー選手権大会でJ1の北海道コンサドーレ札幌を撃破するなど、痛快無比なジャイアントキリング旋風とともに脚光を浴びたいわきFC。J1から数えて7部に相当する、福島県社会人リーグ1部を主戦場としたアマチュア軍団は、既存のJクラブとは明らかに一線を画す壮大な夢を描いている。異彩を放つ挑戦を追う本シリーズ。第1回はクラブスローガン『WALK TO THE DREAM』に込められた思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
ACL制覇の浦和、阿部勇樹が流した涙。悪い時こそ先頭に立つ独自の主将像
浦和レッズが10年ぶり2度目の、日本勢としては2008シーズンのガンバ大阪以来となるアジア王者を獲得した。満員の埼玉スタジアムで行われた、25日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦。後半終了間際に決まった、0‐0の均衡を破るFWラファエル・シルバのゴールを守り切り、2戦合計で2‐1のスコアでアル・ヒラル(サウジアラビア)との死闘を制した直後に、キャプテンのDF阿部勇樹(36)が図らずも流した涙の意味を探った。(取材・文:藤江直人)
ぶれない男・槙野智章、“アンチ”も糧に心技体充実の時。「人生かけた闘い」、いざアジアの頂へ
浦和レッズが10年ぶり2度目のアジア制覇をかける、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦が、25日19時15分に埼玉スタジアムでキックオフを迎える。アル・ヒラル(サウジアラビア)との第1戦を1‐1で引き分けているレッズは、勝利はもちろんのこと、スコアレスドローでも優勝が決まる。最終ラインで際立つ強さと存在感を放ち、定位置を奪いつつあるハリルジャパンから好調を持続しているDF槙野智章(30)は一世一代の戦いを熱く、そして冷静に待っている。(取材・文:藤江直人)
「秋春制」への移行プラン、その論点は? JFAが語るメリット、Jリーグが示す難色
Jリーグの「シーズン移行」に関する議論が大詰めを迎えた。1993シーズンから採用されてきた春秋制を、ヨーロッパと同じ世界基準にしたいと提案してきた日本サッカー協会の田嶋幸三会長が、14日のJリーグ実行委員会に続いて21日の同理事会でもプレゼンテーションを実施し、移行するメリットを訴えた。これを受けて村井満チェアマンは12月の理事会で最終的な判断を下すと明言したが、約8割の実行委員が反対している現状もあり、否決されることが確実となっている。(取材・文:藤江直人)
徳島・渡大生、J2日本人得点王の涙。23ゴールを記録も、届かなかったJ1昇格PO
劇的な結末となった19日の明治安田生命J2リーグ最終節。試合終了間際に喫した失点で東京ヴェルディに屈し、王手をかけていたJ1昇格プレーオフ進出を逃した徳島ヴォルティスで、異彩を放ったのがFW渡大生だ。ヴェルディ戦でも一時は同点とするボレーを決めた24歳は得点ランキングで2位、日本人では最多となる23ゴールをマーク。オフの移籍市場で間違いなく脚光を浴びそうな、176センチ、62キロのボディに異能の得点感覚を宿したストライカーの思いに迫った。(取材・文:藤江直人)
川崎Fの執念。失意のルヴァン杯決勝からの復活。奇跡への序章になることを信じて
川崎フロンターレが土壇場で踏みとどまった。負ければ鹿島アントラーズの連覇が決まる18日の明治安田生命J1リーグ第32節で、スコアこそ1‐0ながらシュート数では25対1とガンバ大阪を攻守両面で圧倒して、勝ち点差を4ポイントに縮めた。YBCルヴァンカップ決勝でセレッソ大阪に屈し、悲願の初タイトル獲得を逃してから2週間。失意のどん底に叩き落されたメンタルを蘇らせ、価値ある勝利を手にした3つの要因を、大黒柱のMF中村憲剛(37)の言葉から紐解いた。(取材・文:藤江直人)
大宮・石井正忠新監督が挑む「奇跡のJ1残留」。残り3試合で4ポイント差、火中の栗を拾う覚悟
リーグ戦が残り3試合の段階で、大宮アルディージャの監督に電撃就任した鹿島アントラーズ前監督の石井正忠氏(50)が7日、さいたま市内のクラブハウスで就任会見に臨んだ。古巣から託されたミッションは、現在17位のチームを逆転でJ1残留に導くこと。会見の途中で思わず目頭を熱くさせた新指揮官の脳裏に描かれていた、アントラーズを昨シーズンのJ1&天皇杯の二冠に導いた処方箋を、発売中の『フットボール批評issue18』で行ったロングインタビューから紐解いた。(取材・文:藤江直人)
鹿島V字回復のキーマン三竿健斗。常勝軍団の心臓部託された21歳ボランチの献身
鹿島アントラーズがJ1連覇に王手をかけた。浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝に進出した関係で、1試合だけ分離開催された5日の明治安田生命J1リーグ第32節で、5人の日本代表擁するACLのファイナリストから完封勝利をゲット。シーズン途中から指揮を執る大岩剛監督のもとでボランチのファーストチョイスとなり、常勝軍団を鮮やかにV字回復させるキーマン的な存在となっている21歳の新星、三竿健斗にスポットライトをあてた。(取材・文:藤江直人)
森島寛晃氏が見たC大阪の新たな歴史。2度の悲劇を経て、ついにたどり着いた初タイトル
セレッソ大阪が悲願の初タイトルを獲得した。埼玉スタジアムで川崎フロンターレと対峙した、4日のYBCルヴァンカップ決勝を2‐0で制して、通算12チーム目のカップウイナーズとして歴史に名前を刻んだ。フロントの一員として大一番を見守り、表彰式後には後輩たちの手で胴上げされた初代ミスター・セレッソ、森島寛晃氏(45)が抱いてきた思いをたどりながら、セレッソが歩んできた過去、現在、そして未来をあらためて描写する。(取材・文:藤江直人)
東京五輪へ、森保一監督が踏み出す第一歩。自国開催の強み、トルシエJの成功体験
2020年の東京五輪に臨むサッカーの男子代表監督に就任した、サンフレッチェ広島の森保一前監督(49)が10月30日、東京・文京区のJFAハウスで就任会見に臨んだ。目標として掲げる52年ぶりとなるメダル獲りへ、アジア予選を含めた真剣勝負のないスケジュールを逆にメリットとしてとらえ、出場資格をもつ1997年1月1日以降に生まれたすべての選手たちを対象に、日本サッカー界を挙げて情報を収集しながらベストかつ最強の五輪代表を作り上げていくと宣言した。(取材・文:藤江直人)
湘南、曹監督という羅針盤。試行錯誤経て到達したJ2優勝、新しい「湘南スタイル」
1年でのJ1昇格を28日に決めていた湘南ベルマーレが、3年ぶり2度目のJ2優勝で喜びに花を添えた。ホームにファジアーノ岡山を迎えた29日の明治安田生命J2リーグ第39節で、後半終了間際に追いつかれながらも、今シーズンを象徴する粘り強さを発揮して1‐1のドローで逃げ切った。1年前はドイツでの充電も視野に入れていた曹貴裁(チョウ・キジェ)監督が一転して6年目の指揮を執り、これまでとは異なる「湘南スタイル」を発動させるまでの試行錯誤を追った。(取材・文:藤江直人)
浦和・長澤和輝、急速に増す存在感。ハリルJ入りも期待。“逆輸入”選手がドイツで備えた術
10年ぶりのアジア王者を目指す浦和レッズで、ブンデスリーガ帰りのMF長澤和輝の存在感が増している。専修大学から加入したケルンで重心が低く、力強いプレースタイルを身につけた25歳は、22日のガンバ大阪との明治安田生命J1リーグ第30節でJ1初先発。大雨で劣悪なピッチ状態となった埼玉スタジアムで、豊富な運動量と球際における強さを存分に披露し、視察に訪れていた日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督を「いい発見だ」と称賛させた。(取材・文:藤江直人)
札幌・稲本潤一の大仕事。約1年3ヶ月の空白を経て。38歳ベテランが導いたJ1残留王手
北海道コンサドーレ札幌が15戦目にしてアウェイ初勝利をあげて、16年ぶりのJ1残留へ王手をかけた。味の素スタジアムで行われたFC東京との21日の明治安田生命J1リーグ第30節で、FWジェイがあげた2ゴールをチーム一丸となって死守。あわや同点のピンチを迎えた後半31分には、直前に投入されていたMF稲本潤一がこん身の帰陣から会心のパスカットに成功。38歳になったベテランの濃密な経験値と状況判断力が凝縮された、語り継がれていくプレーに迫った。(取材・文:藤江直人)
いまでも「責任を感じている」金崎夢生との一件。前鹿島監督・石井正忠の回想録【インタビュー】
常勝軍団・鹿島アントラーズの歴史にさん然と輝くタイトルや激戦の系譜を刻みながら、今年5月31日に解任された石井正忠前監督(50)。11月6日発売の『フットボール批評issue18』では、次なる挑戦へ向けて充電中の石井氏へのロングインタビューを敢行。波瀾万丈に富んだ自身の経験を踏まえながら、監督の仕事を冷静な分析とともに振り返っていくなかで、いまも「責任を感じている」と残念がる一件を明かしてくれた。先んじてその一端を紹介する。(取材・文:藤江直人)
浦和が準備した守備の3ヶ条。フッキら擁する上海上港を完封で、いざACL決勝へ
浦和レッズが10年ぶり、日本勢としては2008シーズンのガンバ大阪以来、9年ぶりとなるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝進出を決めた。ホームの埼玉スタジアムに上海上港(中国)を迎えた準決勝第2戦を1‐0で制し、2戦合計で2‐1と振り切った。ハードワークと球際における激しい守備で強力攻撃陣を擁する上海を完封した、ハリルジャパンにも共通する泥臭いサッカーを具現化させた「守備の3ヶ条」を、DF槙野智章やGK西川周作の言葉から追った。(取材・文:藤江直人)
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