攻守に顕著だった詰めの甘さ
韓国で開催された2年前の前回大会に続く連覇を賭けて、2015年東アジアカップ(武漢)に参戦する日本代表。2日の初戦・北朝鮮戦で確実に勝って、勢いに乗りたいところだった。
気温35度・湿度50%超の猛暑に劣悪なピッチコンディション、7月29日のJ1第2ステージ第5節のゲームから中3日という超過密日程にもかかわらず、日本の出足は悪くなかった。
開始早々の3分、この日初キャップを飾った右サイドバック・遠藤航(湘南)の精度の高いクロスに同じく代表デビューの武藤雄樹(浦和)が巧みに合わせていきなり先制点をゲット。最高のスタートを切った。
その後も12分の宇佐美貴史(G大阪)の左からの強烈シュート、13分の武藤の反転シュート、24分の川又堅碁(名古屋)のGKとの1対1、44分の永井謙佑(名古屋)のフリー場面など数多くの決定機を作ったが、まるで6月のシンガポール戦(埼玉)の再現のように決めきれない。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も「今日も10以上の決定的なチャンス。このように失敗し続けてはいけない」と苦言を呈するしかなかった。
案の定、足が止まってきた後半は防戦一方に。柴崎岳(鹿島)を投入して4-3-3に布陣変更しても流れは変わらない。逆に長身FWパク・ヒョンイルを投入してきた北朝鮮のパワープレーに屈し2失点。相手の術中にまんまとはまった挙句、逆転負けを喫する最悪の展開。やはりショックが大きかった。
「チームのフィジカルの問題で、最後まで持ちこたえることができなかった」と指揮官はコンディション調整不足が最大の敗因だと分析した。が、決してそれだけではないだろう。攻撃陣はシュートの雨嵐を浴びせながらも追加点を奪えず、守備陣は肝心のところでマークを外したり、セカンドボールを拾えなかったりする。チームとしての詰めの甘さは顕著だった。