未知数ながら楽しみなアタッカー陣。東アジアのライバルに挑む
「前回優勝していますよね。だから、そのプレッシャーに打ち勝つのは簡単ではないでしょうけど、ポテンシャルは確実にあるので。厳しいところ、相手のゴール前と自陣のゴール前、結局そこなんでね、勝負どころというのは」
インターナショナル・チャンピオンズカップ(ICC)中国2015のレアル・マドリー×ミランを取材した時、本田圭佑が東アジアカップについて語った言葉だ。その本田をはじめ海外組が参加しない今大会で連覇を狙う日本代表にとって、大きな注目ポイントになるのは敵陣と自陣のゴール前、特に前者で決定的な仕事をできるかどうか。
エースの岡崎慎司や香川真司、本田に加え、ブラジルW杯後に台頭した武藤嘉紀もマインツ移籍が決まり参加しないが、ハリルホジッチ監督の就任からメンバーに名を連ね、主力として定着しつつある宇佐美貴史、ここに来て調子を上げている川又堅碁やケガから復帰した興梠慎三、現在の攻撃スタイルを象徴する縦のスピードを持つ永井謙佑が東アジアのライバルを相手にどう活躍できるか未知数な部分が大きい分、楽しみはある。
加えて初招集の選手たちにも期待が高まる。Jトップレベルのテクニシャンでありながら攻守にハードワークできる倉田秋、5月のミニ合宿で評価を上げ、U-22代表のコスタリカ戦では同年代のエース候補としてアピールした浅野拓磨、そして今回はMF登録ながら今年のJリーグで9得点を記録している武藤雄樹とポテンシャルの高いアタッカーが揃っている。
振り返れば前回大会でも優勝がかかった3試合目の韓国戦は内容的にかなり苦しい展開だったが、一本の縦パスに柿谷曜一朗が持ち前のスピードを活かして抜け出し、高度なボールタッチで相手GKを破るという形が見事にはまり、勝利をもぎとった。
今回は0-0に終わったシンガポール戦の後ということもあり、なおさら決定力の部分は問われてくるし、ゴールを決めた選手は今後の定着に向けて大きなアピールになる。