ペトル・チェフ【写真:Getty Images】
今季からアーセナルに加入したペトル・チェフ。いまや世界的名手として知られるまでになったが、少年時代の偶然がなければGKになっていなかったかもしれない。クラブ公式マガジンのインタビューで明かした。
少年時代、サッカーを始めた頃のチェフはMFで、GKをやるつもりはなかったという。しかし、アイスホッケーでGKをしていたペトル少年はすぐに才能を発揮する。
「練習が終わった後、一番うしろの選手がGKのように振る舞うミニゲームをしていたんだ。その時小さなゴールを守るアイスホッケーのGKと大きなゴールを守るサッカーのGKを比べてみたくなって、たまにゴールを守っていたんだ」
そう語るチェフだが、コーチは見逃さなかった。ある日チームのGKが試合を休んでしまい、ゴールを守る選手がいなくなってしまった。誰もGKをやりたがらない中、コーチはチェフを指名して「君が本当にうまくゴールを守る姿を何度か見てきた。やってみろ」と試合でGKをやらせた。
すると本職でないポジションにもかかわらず、間に合わせのコンバートが上手くいってしまう。そこからチェフのGKとしてのキャリアが始まった。
「10歳の時、足をひどく骨折して回復までに時間がかかった。走ることもできなかったし、長く痛みが続いた。でも座ることはできたし、寝転がることもできた。つまりボールをキャッチできたからトレーニングを続けたんだ。これが僕の人生を大きく変え、いまもゴールを守っている運命を決めた」
少年時代に偶然が重なったことでサッカー選手としての才能が開花したチェフ。2日には古巣チェルシーと今季最初のタイトルを懸けた大一番に臨む。大きな怪我にも、ベンチ生活にも腐らず努力を続けたベテランは新天地でどんな活躍を見せてくれるだろうか。
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