サッカー選手も利用するワーキングホリデー
日本人が海外でプレーをすること自体、最近では何も珍しいことではなくなった。今や中南米の小国、東欧や東南アジア諸国のプロリーグにも日本人が多く進出、「○○リーグ初の日本人選手」という称号(肩書き?)も、さして珍重されるものでもなくなった。
ここオーストラリアでも、昨季のAリーグに開幕直前にやってきた小野伸二(ウエスタン・シドニー・ワンダラーズ)が大きなインパクトを与えたことから、日本人サッカー選手のプレゼンスが一気に高まった。
開幕したばかりの今季のAリーグでは、もはやリーグの顔の一人となった感のある小野と、セレッソ大阪からレンタル移籍中の永井龍(パース・グローリー)が、「日本代表」としてピッチで躍動する。
Aリーグからオーストラリアの下部リーグに目を移してみると、全豪各地でそれこそ数えきれないくらいの日本人選手が様々なカテゴリーでプレーしている。在豪の日本人選手の動向を継続的に調査する術が無い以上、その実数を掴みようがないが、カテゴリーを問わなければ全豪のセミプロリーグで100人弱くらいの人数はいるのではないだろうか。
日本とオーストラリアの間には、一定の条件を満たせば最高で2年間、働きながら滞在できる「ワーキングホリデー」制度が存在する。その制度を利用することで働ける(報酬を受け取れる)ビザを取得しやすいという事情、さらには英語圏の国ということもあって、今も昔も、オーストラリアは若者たちの渡航先として人気が高い。
それは、サッカー選手のキャリアの選択肢としても同じことが言えるようで、ここ数年でオーストラリアに活躍の場を求める日本人選手の数は急増。その多くが、ワーキングホリデーを利用している。