ホームで強さを発揮するブンデスの古豪
勝った負けたに一喜一憂するのも、悪くはないのかもしれない。今季のブンデスリーガに、そんな風に思わせてくれるチームがある。
不思議なチームだ。ホームでは爆発的な攻撃力を魅せて快勝したかと思えば、アウェーではなぜかその破壊力は影を潜め、敗北を喫してしまう。今シーズン、8節を終えた段階での成績は4勝1分3敗で、ホームで4勝、アウェーで3敗1分である。得失点について言えば、ホームでは13得点2失点、アウェーでは6得点11失点と実に分かりやい。
かつてそのチームには黄金期があった。1970年代、名将バイスバイラーに率いられた緑と白のチームは、ブンデスリーガは10年間で3連覇を含む5度優勝、UEFAカップを2度制覇、ドイツカップとドイツスーパーカップもモノにした。
ギュンター・ネッツァー、ベルティ・フォクツ、ユップ・ハインケス、アラン・シモンセン、といった選手たちが、「攻撃、攻撃、攻撃、そしてまた攻撃」というポリシーのもと、躍動していた時代があった。その選手たちのモノクロの巨大写真が、今、ホームスタジアムの外側に飾られている。
ここまで書いてしまえば、昔、三菱ダイヤモンドサッカーという番組をご覧になられていた「サッカーを愛する皆さん」はもうお分かりだろうと思う。チームの名は、ボルシア・メンへングラッドバッハ、ブンデスリーガを代表する古豪である。
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