欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ会長は29日、来年2月に行われるFIFA新会長選挙への立候補を表明した。UEFA公式HP上でも発表されている。
FIFAに加盟する209の国と地域の協会の会長と事務局長へ手紙を送ったプラティニ氏は、「この決断を下すにあたり、私はサッカー界の未来と自分の将来の重さを比べた。個人的に悩み、慎重に検討した決断だった。私は皆が見せてくれた尊敬、支援そして励ましに導かれた」と、立候補に至った経緯を説明。
そのうえで「人生には自ら運命を理解しなければならない瞬間がある。私は今、決断しなければならない。岐路に立ち、FIFAの未来を作ろうとしている」と、サッカー界のために尽くす意思を述べた。
プラティニ氏は手紙の中でFIFAの体制も批判している。2007年のUEFA会長就任まで、2002年からFIFA理事を務めていたが、「ここ半世紀の間、FIFA会長を務めたのは2人だけだ。極めて安定しているが、大きく変化してきた世界、そして経済的にも変わってきたスポーツ界において逆説的と言える」と、権力の一極集中を組織の問題点として挙げた。
ゼップ・ブラッター氏と同様の絶大な影響力を誇る“将軍”がFIFA会長に就くことで、サッカー界が今以上にヨーロッパ中心になってしまうとの懸念もある中、プラティニ氏は立候補を決めた。
しかし、そこには「数千万人のサッカーファンが望むFIFA、模範となり、結束や団結を示すFIFA、尊敬され、愛され、人々のために存在するFIFA」を取り戻すための決意があるという。
英『BBC』によれば、プラティニ氏はすでに連盟の長を務めるUEFA、南米を統括するCONMEBOL、北中米カリブ地域を統括するCONCACAF、そしてアジアを統括するAFCの支持を取りつけている。対立候補には韓国サッカー協会の名誉会長を務める鄭夢準氏も出馬の意思を明らかにしている。
FIFA会長選の立候補は10月26日に締め切られ、選挙は来年2月26日に開催されるFIFA臨時総会内で行われる。
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