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議論を呼んだ「ぶちくらせ」問題。北九州サポーターはコール継続で徹底抗戦か

text by 編集部 photo by Getty Images

議論を呼んだ「ぶちくらせ」問題。北九州サポーターはコール継続で徹底抗戦か
ギラヴァンツ北九州サポーター【写真:Getty Images】

 新聞などで報道され、その意味が一部で議論を呼んだギラヴァンツ北九州の「ぶちくらせ」コール問題が新たな局面を迎えようとしている。

 問題視されたのはサポーターが以前から使用していたコールと横断幕の掲示だった。クラブは17日にこの問題に対する見解を公表し、サポーターに「息の根止めろ」と「ぶちくらせ」のコールについて使用停止を求めた。

 だが、これまでの話し合いを経て「息の根止めろ」コールが使用されないことになった一方で「ぶちくらせ」についてはサポーターとクラブの間で考えに溝が残されたままとなっている。「倒せ」という意味の方言である「ぶちくらせ」を使用することで地元への愛着を表現したいサポーターは今後もコールを継続する意向だ。

 そして迎えた18日の東京ヴェルディ戦。ホームでの試合前にはコールリーダーからこれまでの経緯説明があったうえで、以前と変わらず「ぶちくらせ」の横断幕の掲示とコールの合唱が行われた。

 さらにサポーターに向けて「ぶちくらせ」にかけて「プチグラッセ」が配布されたことも判明している。それには大手検索サイトで大きく取り上げられたことを記念し、サポーターへの感謝の気持ちを込めているとする紙が貼り付けられている。また、「今後も、ぶちくらせを全力で叫び続けます!!!」と決意表明までされていた。

 この一件は昨年3月に大きな問題となった差別的掲出物などの騒動を受け、サポーター団体に「息の根止めろ」や「ぶちくらせ」の使用をやめるよう働きかけてきたクラブの意向とは全く異なる方向へ進んでいる。北九州市民や一部のファン・サポーターからは「ぶちくらせ」の使用中止を求める問い合わせも数多く受けているようだ。

 北九州は17日のリリースで基本的な考えとして「クラブが掲げる理念に照らせば、今回の『ぶちくらせ』の表現は、感受性豊かな子どもたちにスタジアムという空間で、技を競い、勝負に拘りながらも相手をリスペクトし、フェアな戦いを表現するというスポーツの価値を体感してもらうためには不適切な表現」との見解を示している。

 また、言葉の意味が問題視されている現状に対し、「『ぶちくらせ』がどのような意味で使われているかを問題にしているのではな」いとしたうえで、「ギラヴァンツ北九州のすべての支援者の中にも多様な受け止め方があり、スタジアムにおいては否定的な受け止め方をする応援者の呼応が得られず、クラブが目指す『スタジアムが一体となってチームを応援する雰囲気づくり』を困難にする要因になると危惧しています」と引き続き使用停止を求める考えを明かした。

 サポーターは今後も「ぶちくらせ」を使用し続ける構えで、クラブとは全く違う考えを持っている。新聞報道で顕在化したこの問題がどのような結末を迎えるかで、これまで話題にされてこなかった他クラブの応援方法などに議論が及ぶ可能性もあり、しばらく注目を集めそうだ。

【了】

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