アーセナルを率いるアーセン・ヴェンゲル監督が、クラブに再び競争力が戻ったと充実感を漂わせている。

　アーセナルは、2006年に完成した本拠地エミレーツ・スタジアムの建設費を返済するため、選手の強化費に投資できない時期が続いていた。そのため、タイトル獲得や昇給を望む主力選手たちが次々と強豪クラブに引き抜かれ、戦力を維持することができないまま、11年間もプレミアリーグ優勝から遠ざかっている。

　英メディア『スカイ』でヴェンゲル監督は「ベストプレーヤーたちを売却しなければならない時期は間違いなく過ぎた。我々は5、6年にわたってスタジアム建設の影響による財政的な制限があった。非常に難しい時期で、精神的にもタフ時間だったが、我々はそれを乗り越えたんだ」と近年のクラブ事情を吐露。

　しかし、ここ数年は高額な移籍金を支払ってMFメスト・エジルやFWアレクシス・サンチェスらトップ選手の獲得に成功。今夏も大物選手加入の噂が紙面を飾っている。フランス人指揮官は「今の我々は財政的にどのクラブとでも競うことができる。ベストプレーヤーを保つことができると思う」と話す一方で、「現代では移籍金の額が選手の価値になっている。フットボールではピッチ上での忍耐、ハードワーク、結束も重要であることを忘れてはいけない」と、大型移籍を期待し過ぎる見方に警鐘を鳴らした。

　アーセナルは、2014-15シーズンにFAカップを連覇し、無冠の汚名を晴らした。今夏の移籍ではペトル・チェフという世界屈指のGKを手にしたため、プレミアリーグ制覇の機運は熟しつつある。

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