10月15日に各地で行われたブラジル・ワールドカップ出場権をかけた予選。そこで「ドーハの悲劇以上の悲劇が起きた」と話題になっている。
それは北中米カリブ海予選の最終節でのこと。4位・メキシコとの熾烈なプレーオフ争いを演じていた5位のパナマは、首位通過の決定しているアメリカとの一戦を迎えた。先制後に追いつかれるものの、終盤の83分にルイス・テハダのゴールで勝ち越し。4位のメキシコがコスタリカに敗れていたため、パナマがこのまま逃げ切ると、逆転での大陸間プレーオフ進出が決定するという展開だった。
しかし迎えた後半ロスタイム、パナマに悲劇が起きる。ロスタイムの3分に痛恨の失点を喫してしまう。
これで動揺したのだろうか。その直後の4分にはさらに失点を重ねてしまったのである。結局、このロスタイムでの相次ぐ失点により試合は2-3でアメリカが勝利をおさめる結果になったのである。
これによって救わる格好になったメキシコだ。パナマが逃げ切っていれば5位転落となり、ワールドカップ出場常連国であるメキシコの予選敗退が決定するところだったが、パナマに起きた後半ロスタイムの悲劇によって九死に一生を得ることとなった。大陸間プレーオフで出場権をかけて争う。
ロスタイムでの失点により出場権を逃した93年の「ドーハの悲劇」は、20年経ってもなお日本のサッカーファンの間では語り継がれている。パナマ代表に起きたこの悲劇も、しばらくはパナマ国民の心の傷となりそうだ。
【了】
関連リンク
「セルビアに勝ちきる力がなければW杯で16強はムリ」と危機感を募らせる岡崎慎司
コンフェデで盛況のブラジルでなぜW杯反対デモが? 現地記者が要因と現状を解説
FIFA公式サイト