注目度低かったU-20W杯
小野、稲本、高原……彼らの名前を並べたとき日本のサッカーを長く見守ってきた読者の方々はピンときたかもしれない。彼らはかつて“ゴールデンエイジ”と呼ばれた1979年生まれの選手たち。
1994年のU-16アジアユース選手権で優勝し、その後彼らは2002年の日韓W杯で史上初のベスト16進出に貢献。多くがいまだ日本サッカーの最前線で躍動する偉大な選手たちである。
このように日本では長らく“ゴールデンエイジ”を「黄金世代」の意味で使ってきた。しかしここ最近では日本サッカー界にそのような「黄金世代」は現れていない。
先日トルコにてU-20W杯が開催された。この大会は先述のU-16アジアユースよりも育成年代で重要視される大会である。実はこの大会でアジアから出場の4か国中3か国がベスト8進出という快進撃を見せた。
にもかかわらず日本での注目度がこれほどまでに低いのはなぜか。それは日本が出場を逃していたからである。しかも日本は3大会連続で出場することができていない。
A代表の活躍ばかりに注目が集まる昨今、育成の現場ではアジアの他の国にすら遅れをとり始めている。これでは数年後、次のW杯予選ではアジアを突破することも難しくなってしまうのではないか。いま選手育成の仕組みを見直さなくて大丈夫なのか。
新たな“ゴールデンエイジ”を生むためにはどうすればいいのだろうか?今回はそのための一つの意見としてこれまでとは違うもう一つの“ゴールデンエイジ”を紹介したい。
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