対戦成績は全くの五分
川崎は、けが人が多かったこともあり安定した戦いができなかった。ハマった時の攻撃力は脅威的だが、ボール支配率だけが上がっていく試合も少なくない。最前線の大久保嘉人はチャレンジの必要性を説くが、ボールを持てる自信がある分、安全なプレーに終始してしまう。
前回の対戦では車屋紳太郎の退場で流れが相手に傾いてしまった。その意味では数的同数なら勝てる、と川崎の選手は思っているはずだ。開幕戦を勝利で飾り、2ndステージ優勝に弾みをつけたいところだ。
対するFC東京にとって1stステージとの違いは、武藤嘉紀が移籍したことによるエースストライカーの不在だ。堅守が持ち味のチームにあって、武藤は少ないチャンスを確実にゴールへと結びつけられる選手だった。24得点を奪ったFC東京だが、そのうちの10点は武藤が挙げたもので、得点力ダウンは避けられない。
だが、今季加入した前田遼一が徐々にフィットし、1stステージ最終節では2点を奪うなど輝きを取り戻しつつある。さらに新外国籍選手も獲得し、前線の駒を増やした。太田宏介らとの連携を高め、得点の形を見出したいところだ。
味の素スタジアムで行われた1stステージの対戦は42,604人の観衆が駆けつけた。試合内容も見応えのあるものだった。川崎が先制するものの、FC東京が粘り、最後は逆転して見せた。J1での対戦成績も8勝5分8敗と互角。好ゲームが繰り広げられる多摩川クラシコだけに、今回も熱い戦いが期待できそうだ。
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