日本代表のFW田中順也が所属するスポルティングが、インドネシア人のマルトゥニス(17)の入団を発表し、ポルトガル全土で大きな注目を集めている。
当時7歳だったマルトゥニス少年は、2004年に20万人を超える死者、行方不明者を出したスマトラ島沖地震による大規模な津波の影響で、母と2人の兄妹を失った。地震発生時に友人をサッカーをしていたマルトゥニス少年は、21日間を1人で生き抜き、ポルトガル代表のユニフォーム姿で救出された。
これをきっかけに、ポルトガルサッカー界のスーパースターであるクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)と交流を深めたマルトゥニス少年は、プロ選手になることを志して練習に励み、災害から10年の時を経て、憧れのロナウドが育ったスポルティングのアカデミー(下部組織)に加入した。
マルトゥニスは入団会見で「僕の夢だったスポルティングに入ることできて嬉しい。チャンスを与えてくれたことに感謝している。ビバ(万歳)、スポルティング!」と喜びを表した。また、同選手の父親であるサルビニさんは「息子には学校でコーラン(イスラム教の聖典)や英語を学ばせた。私のような十分な教育を受けられない人生を送らせたくはなかったんだ。息子が良い人生を過ごし、もしプロのサッカー選手になることができればとても誇りに思うよ」と話した。
マルトゥニスはスポルティングのU-19チームからプロへの第一歩を踏み始める。
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