次々とビッグネームを逃したミラン
まさかの急展開だった。22日、イタリアの地元紙は一斉に「ポルトFWジャクソン・マルティネスがアトレティコ・マドリー移籍に合意した」と報じた。ミラン移籍で大筋合意に達し、メディカルチェックのためミラノ入りも報じられていた矢先のことだった。
それだけではない。ミランは獲得目標に据えていたモナコMFジョフレー・コンドグビアを、よりによってインテルにかっさらわれてしまったのだ。こちらも獲得濃厚と報じられていたのだが、同郷のライバルとの競合であっさり敗れた。
それにしても、なぜミランは移籍市場で振るわないのか? そもそもカルロ・アンチェロッティ氏には逃げられ、ズラタン・イブラヒモビッチ獲得に色気を出してみてもパリ・サンジェルマンに放出を遮られる。メディアを使って景気のいい話ばかりを浮上させる割には、実になったのはローマとジェノアが共同保有していたアンドレア・ベルトラッチのみだ。
アドリアーノ・ガッリアーニ副会長の手練手管はなぜ通用していないのか、強化資金は1億2000万ユーロ(約163億2000万円)ほど用意されているはずなのになぜ振るわないのか。そこに着目した時、このクラブが置かれているジリ貧の状況が浮き彫りになる。
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