指揮官も困惑を隠せなかったホームでのドロー
「支配し続け19回の決定機を作ったのに、こういう(点が入らない)試合を見たのは初めてだ」
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はシンガポール戦後、このような嘆き節を口にしたが、日本代表を見続けてきた人々にとっては決して初めてではなかった。
最近でもブラジルW杯のギリシャ戦で1人少ない相手を崩せず0-0、アジアカップのUAE戦でも苦しみぬき、81分に柴崎岳が何とかゴールを決めて同点に追いついたものの、PK戦の末に準々決勝敗退を喫した。
そのほかにも勝ちはしたものの1点を奪うために多くの攻撃を費やし、“格下”と見られていた相手に苦戦を強いられる場面を多く見てきた。
今回のシンガポール戦では、選手も監督も口を揃えて「シュートが入らなかった。1点入っていたら結果は違っていた」と決まり文句を述べていた。
確かにそれは正しいだろう。恐らく、シンガポールに加えてカンボジア、アフガニスタン、シリアと対戦する2次予選の残り7試合では大量点を奪う試合も出てくるはず。
しかし、だからと言って「大丈夫。シンガポール戦は運が悪かっただけ」で済ませては、この先も同じ状況になりかねない。そして、その問題がビッグトーナメントの重要な一戦で再び噴出するはずだ。
では、どのような戦い方をすればこのような展開でも1点を奪うことができるのだろうか?
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