過酷な大会であるACL
刀折れ矢尽きる格好で柏が、ACLの準決勝で広州恒大の前に敗退した。
敗れたというよりは、力尽きたとでもいうべき2試合合計1対8のスコアに思うのは一昨年のJリーグ覇者の不甲斐なさではなしに、ACLに対する日本サッカー界のバックアップ体制の貧弱さだ。
たられば、はスポーツにおける禁句で、ナンセンスなことは筆者も承知している。ただ、これほどの過密日程でなければ、という未練がましい思いが柏の準決勝2試合を通じて浮かんでしまうのだ。
2007年の浦和と2008年のG大阪の優勝と、アジア王者として挑むクラブワールドカップでの健闘もあって、日本でもACLを真剣に目指すクラブは確かに増えた。
一方で、G大阪の優勝を最後に日本勢のアジア制覇は為し遂げられていない。名将ネルシーニョ率いる今年のACLは、柏にとって現実的な目標になったはずだった。
G大阪がJリーグ勢では唯一、5年連続の出場を果たしているものの、それでも優勝回数は1回のみ。それ以外はベスト4にさえ残れていないことを見ても分かるように、実力だけでなく組み合わせの運や長丁場の大会におけるバイオリズムなども必要となるのがACLという舞台だ。
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