「ベストメンバーはいない」と強調する指揮官
ハリルホジッチ監督が就任して3試合目のイラク戦は二次予選の初戦である16日のシンガポール戦に向けたテストマッチとなるが、選手たちにとっては主力に定着していくための重要なテストの場でもある。
3月の2試合はチュニジア戦とウズベキスタン戦でスタメンをガラリと変えるなど、勝利を目指しながらも可能な限り多くの選手を起用する意図が明確だった。ハリルホジッチ監督は「誰1人としてベストメンバーに入っていない」と強調するが、予選に入っていく段階で「今回は状況が違っていて、より良いチームを探している」と語っている。
この言葉は何を意味するかというと、練習から競争があり、その評価によって試合でチャンスを得る時間が変わってくる可能性があるということだ。3月の合宿や5月の国内組の合宿で監督に提示された課題をクラブに持ち帰り、その成果を今回の合宿で示すことができた選手は多くのチャンスをもらえる資格がある。
当時のザッケローニ監督が率いたブラジルW杯とアギーレ監督が率いた今年のアジアカップにおいてメンバーが固定的になったのは、指揮官の選択に問題があったというだけでなく、傾向としては能力や取り組む姿勢に関してレギュラーとサブ、メンバーとメンバー外に差があったことの証明でもあるだろう。
3月の合宿でハリルホジッチ監督は多くのフレッシュな選手を招集したが、29人(けがで辞退した長友佑都と小林悠、途中離脱した興梠慎三を合わせれば32人)という異例の人数を招集した結果でもあり、ブラジルW杯とアジアカップを経験した主力メンバーのほとんどが残っている。