「1点でも多くみなさんに見せられれば、それ越したことはない」
千葉県内で7日間行われた欧州組合宿を経て、8日から国内組も揃って6月2連戦(11日=イラク戦、16日=シンガポール戦)に向け、横浜市内で本格指導した日本代表。
初日は川又堅碁(名古屋)が右太もも打撲で別メニューとなった以外、24人が元気に全メニューをこなし、順調なスタートを思わせたが、9日になって清武弘嗣(ハノーファー)が右足底部に痛みを訴えて離脱。戦術練習でフィールドプレーヤーが20人必要との判断から永井謙佑(名古屋)を急きょ、追加招集する事態となった。
日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長は「昨日の夜、突発的に痛みが出た。先週の追い込みの影響ではない」と断言したが、足底部というのはマラソンランナーがよく痛める箇所。凄まじい走り込みが影響した可能性も否定はできない。他の欧州組主力の状態が気がかりだ。
そんな中、この日のトレーニングが始まったが、冒頭15分以外でメディアが締め出された。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「戦術練習は集中した環境でやりたい」と前々から何度も語っており、この日の非公開は既定路線。その間にはどこでプレスをかけボールを奪うかの守備戦術確認、11対11などが行われた模様だ。
イラク戦はあくまでシンガポール戦の準備という意味合いが強いが、今年1月のアジアカップ(オーストラリア)で対戦し、本田圭佑(ミラン)のPKで辛くも1-0で勝利したことを考えると、実力的にはかなり手強い。本田自身もそう痛感しているようだ。
「いい対戦相手だと思います。簡単じゃない相手ですし、その次は予選なんで、シミュレーションと言いますか、いいイメージを持ってシンガポール戦に挑みたいと思います。
練習試合ですので、勝てばいいということではない。1点でも多くみなさんに見せられれば、それ越したことはないと思います」と内容ある勝利を突き詰めていく構えだ。