興梠慎三【写真:ダン・オロウィッツ】
明治安田生命J1リーグ1stステージ第15節が7日に行われ、浦和レッズは清水エスパルスを1-0で下した。ガンバ大阪が引き分けたため今節での優勝はお預けとなったが、無敗記録を15に伸ばした。
チームに勝利をもたらしたのは、興梠慎三だった。相手ディフェンスの状況を冷静に見極め、決勝ゴールを奪った。
自分のもとにボールがこぼれてきた時「右足で打とうと思った」というが、DFが目の前を塞いでおり、ひとりがスライディングでブロックを試みた。
この瞬間、興梠は鋭い切り返しでそれをかわす。そして「ディフェンスの間にサイドネットが見えた」。シュートコースを確認し、左足で蹴り込み、埼スタに歓喜を呼び込んだ。
前半、チームの攻撃はどこかチグハグだった。ボールを繋ぎながら前進していくも、いつもの厚みのある攻めは影を潜めた。「自分のところで収まらなかった」と、興梠は攻撃が停滞した理由をこう話す。
最前線で起点になろうとボールを呼びこむも、そこで潰されてしまう。「自分のプレーが読まれていた」と興梠はいう。相手の徹底した監視により浦和は攻撃の柱を消された。
「自分のところが一番大事だと思っている。しっかり収められればもっといいサッカーができたと思う」と責任を口にする。それでも52分にゴールを奪った後は「自分自身も勢いづいた」ことで周囲との連係も良くなっていった。
後半は清水の勢いに押され、ピンチもあった。「勝ち点3を取ったことは良かったですけど、反省する部分もたくさんあった」と興梠。チームを勝利に導き無敗記録更新にも貢献したが、浮かれる様子は全くなかった。
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