W杯予選で敗退するアイルランド代表イレブン【写真:Getty Images】
複数幹部が贈収賄や資金洗浄の疑いで逮捕された汚職事件に揺れる国際サッカー連盟(FIFA)が、2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の欧州予選で“疑惑のゴール”によって本大会出場を逃したアイルランドサッカー協会(FAI)に資金提供を行っていたことが分かった。
アイルランドは2009年11月18日に行われたW杯欧州予選プレーオフの2ndレグでフランス代表と対戦。2戦合計スコアをタイに戻して延長戦に突入したものの、相手チームに所属するFWティエリ・アンリのハンドがきっかけで生まれたDFウィリアム・ギャラスの決勝ゴールによって敗戦を喫した。試合後、FAIはFIFAに再試合の実施を求めたが、結局受け入れられず、フランスがそのまま本大会に出場した。
しかし、FAIのチーフエグゼクティブ(最高責任経営者)を務めるジョン・デレーニー氏が現地公共放送(RTE)に公表した声明によると、FIFAは再試合を求める法的措置を回避する見返りとしてFAIとサッカー競技場建設に向けた500万ドル(約6億2千万円)の融資に関する合意があったようだ。この資金はアイルランドが2014年W杯に出場すれば返済することになっていたが、予選を突破できなかったために無効となった。なお、欧州サッカー連盟(UEFA)からも同競技場のために同額の資金を受け取ったと証言している。
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