【写真：工藤明日香　／　フットボールチャンネル】

　人気ドキュメント番組として知られている「情熱大陸」（MBS）。9月には、サッカー日本代表でもっとも旬な男であるセレッソ大阪の柿谷曜一朗が登場して話題となった。サッカー選手が登場する回は多く、過去には長谷部誠や長友佑都、香川真司なども密着取材を受けている。

　近年、情熱大陸に出演したサッカー選手の中で一番の異彩を放っていたのが、おそらく2012年に放送された内田篤人の回だろう。もともと、この番組の大ファンだという内田は、2度目のオファーを受けて出演を快諾。

　2011年の年末から取材が始まったが、試合に出場できず、もがき苦しんだ時期の密着取材となったため、苦悩するような場面が多い回となった。それについて内田は、自身の著書『僕は自分が見たことしか信じない（幻冬舎刊）』でこう振り返っている。

「普通であれば輝いている姿を撮影して、その裏でこんな苦労をしています、というのが定番なのだろうけど、定番と違うのも、意外性があっておもしろい」

　とはいえ、自身の影の部分見せたことに関する反響は大きかったらしく、たくさんの励ましが届いたという。放送を見た岡田武史監督からも伝言があり、その後の浮上のきっかけにもなったそうである。なんともウッチーらしい回ではあったが、来年のワールドカップを控えて、今後はどんな選手が登場するのか。楽しみである。

【了】

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