ヴォルフスブルクがDFBポカール初優勝【写真:Getty Images】
【ドルトムント 1-3 ヴォルフスブルク DFBポカール決勝】
ドイツの国内カップ戦、DFBポカールの決勝が30日に行われ、香川擁するボルシア・ドルトムントとヴォルフスブルクが対戦した。
ドルトムントにとってユルゲン・クロップ監督退任前最後の試合となった重要な一戦、香川は先発出場を果たす。また、この試合限りで現役引退が決まっているケールもスターティングメンバーに名を連ねた。
試合はいきなり動く。5分、守備の隙を突いた香川が右サイドから左足でクロスを送り、反応したオーバメヤンがつま先でコースを変えてドルトムントが幸先よく先制点を手にした。
ボールを動かしながら同点を目指すヴォルフスブルクは21分、セットプレーの流れからGKランゲラクが弾いたこぼれ球にルイス・グスタボが詰め、欲しかった1点を挙げる。
さらに33分、カリジューリの落としを受けたデ・ブライネが右足を振りぬき、見事なミドルシュートを突き刺してヴォルフスブルクが一気に逆転に成功した。
38分、元ドルトムントのペリシッチが右サイドでボールを受けてシュメルツァーをかわし、そのクロスにドストが完璧なタイミングで合わせ、ヴォルフスブルクが追加点を奪った。今季リーグ戦21試合出場で16得点を記録し、一時の絶不調から完全復活を遂げた点取り屋がここでも大きな仕事をやってのけた。
なかなかチャンスを作れないドルトムントは44分、香川が左サイドでボールをキープして粘り、クロスにオーバメヤンが飛び込む。しかし、シュートは枠を捉えずゴールにはつながらない。
ドルトムントは香川を中心に少ないながらもチャンスを創出したが、2点リードを許して前半を終えた。
後半開始直後の48分、ドルトムントはピンチを迎える。デ・ブルイネのスルーパスをドゥルムが処理しそこね、カリジューリに拾われシュートを打たれてしまう。だが、GKランゲラクがなんとか触って枠の外にはじき出し、失点は免れた。
50分、ドルトムントにチャンスが巡ってくる。フンメルスのスルーパスに抜け出したロイスが厳しい体勢からエリア内に折り返すと、香川がスライディングで飛び込む。ゴールラインを割ったかと思われた香川のシュートは、ポストのわずか右に外れた。
68分、ドルトムントのクロップ監督はケールとドゥルムを下げてピシュチェクとブワシュチコフスキを投入して状況の打開を目指す。今季限りで現役引退のケールは、この瞬間最後の試合を終えた。
できるだけ早く追いつきたいドルトムントは、インモービレを投入して前がかりの姿勢を強めるが、香川の強烈なシュートやオーバメヤンのFKがベナーリオにセーブされるなど運にも恵まれず。
逆転で勝利をつかみ取ったヴォルフスブルクは、DFBポカール初制覇。長谷部が在籍した2008-09シーズンのリーグ優勝以来、クラブ史上2つ目のタイトル獲得となった。
香川は先制点をアシストし、攻撃の中心としてフル出場を果たしたものの、クロップ監督最後の試合で勝利をプレゼントすることはできなかった。
【得点者】
5分 1-0 オーバメヤン(ドルトムント)
21分 1-1 L・グスタボ(ヴォルフスブルク)
33分 1-2 デ・ブライネ(ヴォルフスブルク)
38分 1-3 ドスト(ヴォルフスブルク)
【了】