プラン通りだった前半
前半はほぼ完璧な出来だった。10分にジョルジ・ワグネルがFKから先制点を奪い、警戒していた広州の外国籍トリオ、エウケソン、ムリキ、ダリオ・コンカも中盤と最終ラインが高い集中力をキープし、激しいマーキングで彼らを抑えた。
全体のラインがコンパクトだったため、4-1-4-1のアンカーの周囲に生じるスペースにも目立った綻びはなく、良い形でボールを奪った後は、広州の外国籍選手3人が攻め残る弱点を突いて、柏は効果的なカウンターを仕掛けていく。
ところが、ネルシーニョが「プラン通りだった」と評した前半と異なり、後半は試合展開がガラリと変わった。J1第25節C大阪戦でもそうだったように、柏は過酷な連戦を強いられているため、後半途中から運動量が落ちる傾向にある。
それはこの広州戦でも予想はできていたが、その足の止まる時間の訪れが思った以上に早かったのだ。50分過ぎには攻め上がった前線の選手が下がれなくなり、全体のラインが間延びしていく。
前半、あれほどコンパクトに整えられていた陣形には次第にスペースが生まれ、セカンドボールを相手に支配されると、流れは一転して広州へ傾いた。両チームの技術・戦術のクオリティーの差というよりも、選手のコンディションの差がそのままピッチに反映された印象を受けた。
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