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[対談]中盤のメカニズムに秘める可能性 ハマのボランチコンビが語る戦術論

2012年にチームへ加入し、ダブルボランチを組む富澤清太郎と中町公祐。今季、好調なクラブの根幹を支える2人のMFは、チームにおいてどのような役割を担い、何を考えながらプレーしているのか? 精密に連動する中盤の可能性について語ってもらった。

text by 浅川俊文 photo by editorial staff

【フットボールサミット第14回】掲載

中盤を支える共通理解

中町公祐
中町公祐【写真:編集部】

――F・マリノスの中盤は中村俊輔選手と中町選手、富澤選手がポジションを自在に変え、相手にとっては動きを捕まえにくいのですが、どういう感覚、共通理解で成り立っているのですか?

中町 お互いの立ち位置を見ている、ということに尽きると思いますね。あとは信頼関係。自分がポジションを高くする時、カンペーさん(富澤選手)がボールを出してくれるという信頼があるから前に行ける。違うチームの時は、自分が下がって全部やらなくちゃいけなかったので、ゲームを作る位置が低くなっていた。後ろはカンペーさんに任せられるという信頼があって初めて、俺と俊さん(中村選手)の前の絡みとかができると思います。

富澤 僕はふたりを見て、ふたりが攻撃的なポジションを取れるように自分がバランスを取るというか、三角形を作ることを意識しています。どっちかに偏り過ぎてスペースを生まないようにバランスをマメに取ることで、二人のキープ力を使わせてもらう。それで、展開が詰まったときに逃げ場になれるようなところにポジションを取っています。詰まった時にはボールを落としてくれれば、僕が簡単にダイレクトでサイドに出す。すると、サイドがフリーになったりする。

中町 そのポジショニングは大事っすね。隠れちゃう選手は隠れちゃうんですよ、公式戦とかになると。いるけどそこへは出せないなっていう……。そういうことが今はチームとしてないですね。みんな自信を持って顔を出してくる。そこが、いい流れの理由なのかもしれないです。

――おふたりは互いの動き方について、頻繁に話ますか?

中町 相手によっては試合中に話すことはありますけど、試合後とかはあまり。だいたい試合中に補えちゃいますね。

富澤 あと、自分たちがやるべきことをやっていると、相手が苦しんでくれてやりたいようにできるというか、主導権を握れちゃう。ふたりにボールが入ると、攻撃のスイッチが入るようなパスが確実に出るんで、なるべくふたりがいい状態でボールを受けられるようパスを出す意識で、ずっとプレーしてますね。

――中町選手は中村選手を追い越していく動きも多いですが、そのタイミングは?

中町 カンペーさんが俺らにそうしてくれるように、なるべく俊さんを高い位置で生かせないかっていうのがまず念頭にあります。それでもボールに触れなければ俊さんは下がってくるんで、その時に重ならないように前へ出ますね。あと、もともと僕はトップ下の選手だったこともあって、ある程度高い位置でボールをもらうのは嫌いじゃない。そこはうまくバランスを見て上がるって感じですね。

――中町選手は得点に絡む動きも多いですよね。

中町 いや、まだまだ少ないですよ。カンペーさんのほうが点取ってますし。でも、あれデカイですよね、カンペーさんのミドルシュートがあるのは。

富澤 みんなが相手陣内に押し込んでくれるから、ジーッと隙を見る時間がある。後ろで観察してるのは楽しいんだよ(笑)。よく見てるから、相手の誰がハマッてるかなとかわかってくる。性格、悪いんだけど(笑)。「ああ、今日は調子悪いんだな、あっちから行こうかな」とか。本当にふたりはキープ力があるから、僕が全体を見る時間ができる。

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