4試合連続得点が期待されるMFゴイコ・カチャル【写真:Getty Images】
ドイツ・ブンデスリーガも次節でいよいよ最後となった。優勝、チャンピオンズリーグ出場権争いはすでに決まってしまったものの、残留争いは6チームで争われる展開となっている。
その中で、ブンデスリーガ創設以来降格したことのない唯一のクラブ(バイエルン・ミュンヘンは初年度不参加)であるハンブルガーSV(HSV)が、最終節を前に17位と自動降格圏に沈んでいる。
2002年から2006年までは元日本代表のFW高原直泰が所属し、漫画『キャプテン翼』では主人公の大空翼のライバルであるGK若林源三が所属しており、日本でもなじみの深い同クラブだ。しかしここ数年は下位に沈み、昨季は入れ替え戦の末ようやく残留を手にした。
ここ2年で7人の監督が指揮しており、今季もすでに3度の監督交代を行っている。現在指揮を執るのは元シュトゥットガルト監督のブルーノ・ラッバディア氏。就任直後の試合でも敗戦を喫し、絶対絶命かと思われていた。
そんな瀕死のチームを救ったのは、それまでリーグわずかに8試合しか出場しておらず、契約満了で戦力外とされていたMFゴイコ・カチャルだ。
12/13、13/14シーズンに出場機会を得られず、セレッソ大阪へレンタル移籍。わずか4ヶ月でHSVヘ復帰するも立場は変わらなかった。
しかし、ラッバディア監督が就任すると状況が一変。新体制の2戦目から先発出場を果たし、勝利に貢献した。さらに次のマインツ戦では終了間際に値千金の勝ち越しゴールでチームを連勝に導くと、続くフライブルク戦でもアディショナルタイムに貴重な同点弾を奪い、残留争いのライバルとの試合でチームを敗戦の危機から救った。
そして、前節シュトゥットガルト戦では敗れはしたものの、3試合連続となる得点を挙げている。
ラッバディア監督も称賛し、契約延長の可能性も出てきたカチャル。ほんの1ヶ月前までは戦力外だった男が、4試合連続となる得点で降格からチームを残留へと導く救世主となることが期待される。
【了】