小さな街のクラブ、サッスオーロ
17日、レッジョ・エミリアのマペイ・スタジアムで見せられたのは、またもドメニコ・ベラルディのゴールラッシュだった。14年1月、本田圭佑のデビュー戦で4点を奪った彼は、今度もミランからトリプレッタ(1試合3得点)を達成した。1月6日、サン・シーロでの対戦でも2アシストを記録しており、これですっかり“ミランキラー”である。
しかし、サッスオーロはベラルディ一人で持っているチームではない。ミランのCBを振り回し、3点目をアシストしたシモーネ・ザザはイタリア代表に定着。この試合では精彩がなかったが、ニコラ・サンソーネも高速ドリブルと華麗なシュートで注目を集める若手だ。下部組織の生え抜きで19歳のSBレオナルド・フォンタネージも堂々と活躍。パオロ・カンナバーロやGKアンドレア・コンシーリなど、セリエAで実績を残したベテランや中堅も加え、チームとしての競争力の高さも披露していた。
基本的に攻撃的なサッカーをしているため失点も多いが、ハマった時のインパクトは強烈だ。今季はインテルやナポリにも勝ち、そしてホームでは首位ユベントスからドローをもぎ取った。「外国人が多すぎる」といわれるセリエAの中にあって、イタリア人中心の選手構成も異色を放っている。
しかしもっとも際立つのは、ホームタウンであるモデナ郊外のサッスオーロが人口たった約4万人の小さな街という事実だ。クラブ創立は1920年、しかしセリエAの初昇格はほんの2年前。ホームで開催するにはスタジアムが小さすぎ、他会場に求めたようなクラブがどうしてここまで成り上がることができたのか。