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本田圭佑 10年前

本田は“良い流れ”を継続できたのか? 敗戦もチームメイトから得られた信頼、シーズン終盤で深まった「周囲との連係」

本田圭佑の2アシストで6試合ぶりの勝利を飾った9日のローマ戦に反し、17日のサッスオーロ戦では不運な判定や退場で敗戦したミラン。この試合の本田に求められたのは前節からの「継続性」だったが、2試合連続の勝利に導くことはできなかった。だが、敗戦の中でもパフォーマンス面でいくつかの「継続性」を見ることができた。

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

結果は一歩後退もプレーは向上

本田は“良い流れ”を継続できたのか? 敗戦もチームメイトから得られた信頼、シーズン終盤で深まった「周囲との連係」
敗戦もパフォーマンスは向上の余地を見せた本田【写真:Getty Images】

 肝心なのは継続性――。サッスオーロ戦のプレビューではそう書かせていただいたが、成績上は前節のローマ戦からの流れは途切れた。

 不運な判定とはいえ、1点目の失点が痛かった。あれでミランは点を取りに行かざるを得なくなり、サッスオーロはカウンターにはめやすくなった。あとは、スピードがありダイナミックにポジションを変える3トップをミランのDFラインが捕まえられず、間延びした中盤からスピーディにパスを通される。それが2点目の図式だ。

 ローマ戦では組織的堅守からの速攻で勝利をものにしたミランは、今回完全に逆をやられた。ただ、その状態から後半の早い時間帯に2-2まで追いついたところは評価するべきだろう。今までなら崩れたところを、彼らはパスをつないで攻め切って挽回した。ゆえにパフォーマンスの上では、ローマ戦の流れは継続されたと評価することができる。

 この試合の本田の評価についても同様だ。点には絡めなかったので、「一歩後退」といった地元記者の評価自体は正しい(前々日のコラム参照)。しかし内容では、確実にローマ戦でのパフォーマンスを継続することができていた。右サイドから、時に中に絞り、時に縦を破ってチャンスを作り出す。プレスをかいくぐっては正確にボールをつなぎ、同点に追いつく流れを引き寄せる源泉となっていた。

 守備は、ローマ戦の時よりも厳しかった。ペルーゾが張り付いて体であたりに来るし、インサイドMFのタイデルも挟み込みに来てスペースを潰しに掛かる。そこで囲まれてボールロストを連発するのではという懸念もあったのだが、むしろ力強くプレスに対処しボールをつないでいた。

 ボールを受けると思わせておいて縦にボールを流し、ペルーゾを振り切る。タイデルが寄せてくれば繊細なタッチでボールを相手の股に通し、マークを外していく。2人で寄せに来れば、クイックなターンでまとめて裏を取る。低調な時だと流れを止めているうちに、相手に寄せられボールを失うところだったが、この日の動きは実に逞しいものだった。

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