長友に攻撃の命を授けたマンチーニ監督
「まあ結局パフォーマンスが良くても、チームが負ければどうしようもないんで。僕はチームが勝つために入りましたし、マンチーニもそれを望んで入れた」
表情は明るくなかった。16日のユベントス戦で途中出場のチャンスを再びもらった長友は、勝利をもたらすことができなかったことを悔やんでいた。後半37分に絶好のクロスを通すなど、20分少々の出場時間内でやれることはやっていた印象だった。にもかかわらず彼は、チームの勝利に結びつかなければ意味がないと言わんばかりに悔しそうだった。
故障離脱中にサイドバックの顔ぶれが固められてしまうなか、サントンを差し置いて2試合連続で出場機会を得た。コンディションを上げる長友にマンチーニ監督も評価しているはずなのだが、長友は自らに納得をしていないかった。
パフォーマンスは確かに良かった。前節のラツィオ戦ではダンブロージオとの交代だったが、今回はトップ下のシャキリとの交代でシステム変更。ファン・ジェズスが絞る形で3バックとなり、長友は左ウイングバックに入った。
マッツァーリ前監督時代のつながりを断ち、4バックを採用していたマンチーニ監督だが、選手の特性を活かすためか――あるいは4バックでは機能しないと不安になったのか――3バックも練習していたことは明らかになっていた。そして指揮官は「前線からのプレスが弱かったので、長友を使ってサイドから押していこう」と考える。その命を受け、長友は高い位置を取ってサイドから攻める。注文には応えていた。
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