「グレイザー一家をサポーターがどう思っていたのかは理解している」
10年前にグレイザー一家がマンチェスター・ユナイテッドを買収した時、サー・アレックス・ファーガソン監督(当時)から我々選手たちに向けてクラブ買収についての話が一度でもあったかどうかは思い出せない。我々は監督と同じ方向を向いていた。クラブの変化やオーナーたちによるクラブの扱いに関して監督が心地よく感じているのであれば、選手たちもそれは同じだった。
グレイザー一家に対して快く思っていなかったサポーターが多かったことは知っている。選手としての立場として、キャリントンの練習場やオールド・トラフォードにおいて2005年5月に何も変わりはしなかったと言わねばならない。選手もスタッフも、誰一人クラブを去ったわけでもない。デイビッド・ギルCEOも元の場所にとどまった。それまで通りの日々が続いていた。
グレイザー一家がクラブの価値を抵当として金を借り入れ、その返済のためにクラブの収益を使ったことは理解している。彼らはビジネスマンであって、ユナイテッドの株式はグレイザー一家の投資のはるかに前から取引されていた。
我々選手たちがこの件について何も話さなかったことに落胆しているファンもいるかもしれない。だが、ユナイテッドの選手であるのがどういうことかを理解すべきだ。その仕事はプレーする全ての試合で勝つことであり、それが唯一の仕事だ。毎回の試合はもちろん、毎回の練習でもパフォーマンスを発揮しなければならないというプレッシャーがある。
水準を満たせないと監督に判断されれば、他に起用される選手たちがいる。2試合連続で敗れれば危機と見なされる。水準を維持することが全てであり、その他のことが入り込む余地はない。