3ヶ月ぶりの復帰を果たした長友
今年の夏限りでインテルを退団するとの噂が流れている長友佑都だが、12日のラツィオ戦で途中出場を果たした。
マンチーニ監督は、一度固まったメンバーをいじってバランスを崩すのを嫌う。交代選手もゲームの読みに基づき、あらかじめ後半の早い時間からアップをさせていた選手を使う。左SBにはファン・ジェズスをコンバートさせ、冬の移籍後スタメンに定着しつつあったサントンもベンチに置かれるような状況では、長友の序列はもっと下がるのかもしれないと思われた。
しかしマンチーニ監督は、彼にもチャンスを与えた。ハーフタイムからじっくりとアップを命じられ、そして投入されたポジションは右SB。現在リーグで絶好調のフェリペ・アンデルソンとのマッチアップで疲弊していたダンブロージオとの交代だった。
いきなり空中戦でミスマッチを狙われたり、またクロスが若干不正確だったりというシーンはあったものの、3ヶ月間プレイしていないかったという状態では仕方がない。一方で持ち味の積極的な上下動を行い、チームの活性化という注文には十分応えていた。
それにしても、なぜマンチーニ監督はサントンではなく長友にチャンスを与えたのか。前半終了時で1-1の同点、一人少ない相手がゴール前を固めて崩せないという状況下にあり、プライオリティは攻撃にある。そこで長友のスプリントを攻撃面で活かし、相手の守備陣を拡げたかったのだろうという戦術上の理由は考えられる。
ただそれもさることながら、練習を通してコンディションを上げる長友がどのくらいやるのかを見よう、と思いも働いたのかもしれない。試合後、長友は言い切っていた。「誰よりも厳しい練習をこなしていた。その自信はあった。日々のトレーニングから誰よりも追い込んできた」。その言葉に誇張がなければ、長友の取り組みはマンチーニの目にも留まったはずである。