「リーベルの亡霊」を意味する白地に赤で「B」と書かれた布を吊るしたドローンがピッチ上空を舞った【写真:Getty Images】
南米最強を決めるコパ・リベルタドーレス準々決勝2ndレグで衝撃の事件が起きた。
アルゼンチンの名門ボカ・ジュニアーズとリーベル・プレートによる“スーペル・クラシコ”となった一戦の後半開始直前、選手がピッチに戻ろうとした際、スタンドからアウェイのリーベルの選手たちが通るトンネルに催涙弾のようなものが投げ込まれた。
これにより、すぐ近くにいたレオナルド・ポンシオ、ホセ・ラミーロ・フネス・モリ、クラウディオ・クラネヴィッテル、レオネル・バンヒオーニが催涙ガスの被害を受けている。
最も症状がひどかったポンシオは目を真っ赤にし、顔や背中まで腫れている姿が映像に残されている。
その後、試合再開は延期され、警察が介入して選手達の被害や証拠の採取を行ったうえで、事態から約1時間後に試合中断が決定された。
なお、大会を主催する南米サッカー連盟(CONMEBOL)は、試合を無観客で再開するか、そのまま終了として扱うか検討すると、コパ・リベルタドーレス公式ツイッターで明かしている。
リーグ戦でも今月4日に同カードが組まれており、8日の1stレグも合わせると2週間で3度ライバルと対決するとあってかなりの注目を浴びていた。ボカのホームで行われたリーグ戦は、1-0でボカの勝利。8日の1stレグはリーベルがホームで1-0の勝利を収めていた。
そして、迎えた最後の試合は、ボカのホームであるボン・ボネーラで行われており、今回の催涙弾もボカサポーターから投げ込まれたものだった。
また、この試合のハーフタイムから中断中にかけて、「リーベルの亡霊」を意味する白地に赤で「B」と書かれた布を吊るしたドローンがピッチ上空を舞った。
試合中止が決まってもボカの選手たちはピッチに残り、控え室までの経路が安全でないとしてリーベルの選手たちも観客が完全に撤退するまでピッチを出ることを拒否するなど、険悪な雰囲気のまま終わってしまった。
アルゼンチン最大のライバル対決は、今後どのような展開を迎えるのだろうか。CONMEBOLの判断や、催涙弾を投げ込んだボカサポーターをめぐる警察の捜査にも注目が集まる。
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