守備面でも重要なタスクを担う柏のトップ下
8月21日、ホームでの第1戦を1-1と引き分け、アドバンテージを握れなかった柏だが、第2戦へ向けた戦い方のヒントは掴んだ。
アルシャバブのCBはともに1対1に強く、個の能力でマッチアップする相手のアタッカーを封じる力を持つ。FWが前線に張り、そこへ工夫のないシンプルな縦パスを当てるだけではアルシャバブの守備を打ち破ることは難しい。
しかし組織的な守備陣形を敷くわけではないため、第1戦で途中から出場した澤昌克が最終ラインを撹乱した動き出し、例えばバイタルエリアにわずかに生じるスペースにクサビを入れ、一度CBを引き剥がし、その後少ないタッチのプレーでサイドへ展開するか、あるいは2列目の選手が飛び出していく連動した攻撃を絡めることができれば、あの強固な守備に穴を空ける可能性はある。
実際に第1戦では、試合終了間際にその形からビッグチャンスを作り出した。
今回のアルシャバブ戦、鍵を握るのはトップ下に入る選手だ。おそらく工藤壮人と田中順也が前線でコンビを組むため、トップ下に位置に入るのは田中になるだろう。
では、なぜトップ下が鍵になるのか。それは攻撃時の撹乱する動きが必要とされる他、守備面でも重要なタスクを求められるからだ。
柏は9月7日のヤマザキナビスコカップ準決勝第1戦の横浜FM戦と、J1第25節磐田戦で4-1-4-1のシステムを用い、相手のトップ下とダブルボランチに柏の中盤3枚がマッチアップする形で相手の攻撃力を封じる策に出た。
磐田戦は、相手がトップ下を置かなかったことで狙いが外れ守備がハマらなかったが、4-2-3-1-のシステムでトップ下を置くアルシャバブを封じるのには4-1-4-1を用いることは一つの秘策になるかもしれない。