声を荒げるルイス・フェルナンデス氏
今年も、シーズン末恒例のUNFP年間フットボールアワードのノミネートが発表された。
UNFPはプロフットボール選手たちが所属する連合で、彼ら会員からの投票によって年間最優秀選手(MVP、ヤングプレーヤー、ゴールキーパー)が決められる他、監督間の同業者投票による最優秀監督賞と、同じくレフェリー賞がある。
第一次投票によるノミネートは5月5日に発表されたが、監督賞候補の顔ぶれについて、ちょっとした議論となった。
候補に絞られたのは、ユベール・フルニエ(リヨン)、ロラン・ブラン(パリSG)、クリストフ・ガルティエ(サンテティエンヌ)、ジョスリン・グルヴェネック(ギャンガン)のオールフランス人監督で、モナコのジャルディム(ポルトガル)や、マルセイユのビエルサ(アルゼンチン)の名前がなかったからだ。
リヨンのフルニエ監督は、チームの約半数が生え抜きの若手という布陣ながら終盤まで優勝争いに絡み、ブラン監督はフランスリーグ史上初の3冠達成に王手をかけている。
とくにスター選手もいない陣営で毎年安定した成績を出しているサンテティエンヌのガルティエ監督、今季はELでグループリーグ突破を果たしたギャンガンのグルヴェネック監督…と、それぞれ功績があったことは間違いない。
しかし、それならファルカオとロドリゲスの2枚看板を失った状態からチームを立て直して、CL準決勝進出にあと一歩のところまで迫ったモナコのジャルディム監督や、前半戦のチャンピオンとなったマルセイユのビエルサ監督の功績とて、決して引けをとらない。
「ここにフランスの排他主義を見た!」と声を荒げたのは、スペイン系移民の子孫である元フランス代表のルイス・フェルナンデスだ。
「自分がスペインリーグで監督になったときは興味をもって迎えられ、『この外国人監督がどんな仕事をするのか見てみよう』という空気があった。しかしフランスにはそれがない!」