「悔しい経験をプラスに変えていかないと意味がない」
2010年南アフリカワールドカップ直前に名古屋グランパス時代の先輩・楢﨑正剛から正GKの座を勝ち取り、好セーブ連発で日本のベスト16入りの原動力になった川島永嗣。あれから3年以上の月日が経過し、ザックジャパンの絶対的守護神に君臨する彼は、ベルギーでの海外経験を経て自分自身、少なからず成長したという自負もあっただだろう。
ところが、6月のコンフェデレーションズカップでの3試合9失点に加え、8月のウルグアイ戦での4失点と、最近の日本代表は世界トップ相手にゴールを割られ続けている。負けじ魂の人一倍強い川島にとって、この結果は受け入れがたいものだったに違いない。
今回の9月2連戦では、何としても守備を立て直さなければならない。そう彼は考えていたはずだ。
「やっぱり失点が多いのは事実。後ろの選手が言われるのは仕方ないことだし、自分たちが背負っていくべき責任だと思います。
自分たちはこういう道を通らなければいけない。全てがうまくいくわけじゃないし、チームとしても守備陣としても、悔しい経験をプラスに変えていかないと意味がない。今回はもう1回、自分たちが原点に返ってやろうという意識を持って合宿に入りました。
守備の中で緻密さや繊細さは必要だし、相手が強くなるほど個人のミスも戦術のミスも許されなくなる。そういう部分が今回のテーマになると思う。
強いチームと戦う中で、自分たちの攻撃面への意識が大きくなるのは多少、仕方のないことですけど、自分たちがもともと持っている緻密さや繊細さを見直したい。自分たちのいいところをもう1回出せるようにすればいいと思います」と川島はグアテマラ戦前に語っていた。