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日本代表 11年前

合格点と言えるW杯ベスト16への一次テストとなったガーナ戦。守備固めとしてメリット見えた3-4-3

10日のガーナ戦を3-1の勝利で飾った日本代表。この試合における収穫とは何か? また3-4-3の本当の目的とは何か? W杯ベスト8の壁を破るためのさらなる成長点を分析する。

text by 西部謙司 photo by Asuka Kudo / Football Channel

ガーナ戦はベスト16への一次テスト

 W杯のグループリーグは必ず強豪国が1つ入る。あとは欧州の中堅どころ、アフリカと同居する可能性が高い。コンフェデレーションズカップとウルグアイ戦がベスト8への挑戦なら、ガーナ戦と続く欧州遠征はベスト16へのテストという位置づけになる。

 結果は3-1で圧勝、まず一次テストはパスしたといっていいだろう。主力が来日していないガーナは若いチームで、アッピアー監督は「集中力の欠如」を敗因にあげていた。集中力と組織力の欠如はアフリカ勢の敗因トップ2だが、ガーナは組織的には良かったし、個々の能力も高かった。

 日本のホームであること、スーパーな身体能力を持った主力がいなかったことは差し引かなければいけないが、このクラスの相手に快勝したのはひと安心である。

 日本は終始優勢だった。ビルドアップのときは遠藤がディフェンスラインに下がってパスワークの軸となり、しっかりキープして押し上げていた。吉田のパスが流れたり引っかかったりしていたのは気になったが、ほぼ安定してボールは運べていた。

 最前線で柿谷が裏を狙う動きを繰り返していたために、バイタルエリアが空きやすく、本田、香川、清武へのパスは入れ放題。失っても即座にプレッシャーをかけて囲い込むか、判断を奪ってパスカットする流れにもっていけていた。

 ガーナもときおり鋭いカウンターアタックで応戦するものの、ブラジルやメキシコのようにボールを保持して流れを変えてしまうまでには至らない。日本のリズムで試合は進んでいった。

 コンフェデ杯でも敵陣でのプレーは通用していたので、その流れが続くかぎり日本の弱点は出ない。カウンターアタックを食らって失った1点も、香川のミスパスがきっかけだったとはいえ不運が重なったものだった。

 ウルグアイ戦で露呈したラインコントロールの甘さも改善の兆しがみえたし、上げ下げもしっかりやってコンパクトに守れていた。欲を言えばもっと緻密さがほしいが、それはW杯直前でも何とかなるだろう。前線の守備意識も高く、日本のリズムでプレーできる相手に対しては守備面での不安は感じなかった。

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