未成年の保護に重きを置き始めたFIFA
先月、エイプリールフールの翌日に、サッカーの最高機関であるFIFAは、調査の末、スペインサッカー協会とFCバルセロナに対し、2009年から2013年の間に獲得した18歳未満の未成年の選手10人の登録と移籍方法に違法性があったとして、処罰を課すと公式サイトで発表した。
その結果、バルサユースに所属していた久保建英がFCバルセロナを離脱し、日本へ帰国する決定を下すことになった件については先日ここで書いたとおりだが、現在、同じ調査の手が、レアル・マドリー、アトレティコ・マドリー、バレンシア、ビジャレアルなどに伸びている。
そして、今度は、レアル・マドリーユースに所属し、久保くんのライバルとして日本メディアにも取り上げられていた中井卓大くんも同じ憂き目にあうのではないかと不安視されている。
アトレティコ・マドリーは、少なくとも2件、違反すると思われるケースがあるために既に処分の決定が伝えられている。レアル・マドリーは、まだ現在、最終調査段階にあり、最終決定は今月16日に発表される予定だ。
レアル・マドリー側は、調査の手が入ったという報道を受けて、FIFAから調査されるような違法性のある未成年の登録は全く行なわれていない、全てにおいて違法性は全くない、との公式通達を出し、更にそういった根も葉もない噂を繰り返し、書き立てるメディアを糾弾するなど、今回の報道にかなり怒っている様子だ。
どうしてこういったことが起きているのかを簡単におさらいしよう。現在、FIFAは未成年の保護に以前より重きを置いているという状況がある。未成年を使った営利目的のビジネスや悪徳業者も増えているため、国際児童法に基づき、それに規制をかけなければいけないという意識が働いている。