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本田圭佑 10年前

本田、フル出場も守備に奔走。インザーギ監督の髪はさらに白く…精神的ダメージの大きい完敗

セリエA第34節、ミランはアウェイでナポリと対戦して0-3と完敗。デ・シリオが開始約40秒で退場となり、右サイドでコンビを組むはずだった本田圭佑にとって技術的、体力的、そして精神的にも大きな負担を強いられる展開となった。

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

シュート数わずか2本。防戦一方の90分に

本田、フル出場も守備に奔走。インザーギ監督の髪はさらに白く…精神的ダメージの大きい完敗
ナポリは、76.64%と8割近い時間をミラン陣地でプレー【写真:Getty Images】

 その間、およそ40秒。強すぎる逆風の中で迎えたナポリ戦、開始早々にデ・シリオが一発退場をしでかしたことで風速はさらに強まった。

 セリエA屈指の強豪であるナポリとのアウェイでの一戦、フィリッポ・インザーギ監督のシーズン中の残留が確定した後の一戦、今季初めてジェレミー・メネズを完全に欠いての一戦…。

 本来であれば注目点の多かったこの試合だが、それら全ては1分も満たないうちに全て吹き飛んだ。

 支配率77.3%(ナポリ):22.7%(ミラン)、パス総本数781本:252本、パス成功本数706本:178本、アタッキングサードでのパス本数363本:30本、パス成功率90%:71%、クロス本数35本:4本、チャンスメイク数20回:2回、シュート本数27本:2本。

 11人対11人でも圧倒的不利であり、苦しい展開となることは必至。そんな格上の相手に1人少ない状況で89分を戦えば、防戦一方となることも仕方ないといえるだろう。

 今のミランには劣勢を逆手にとってカウンターで応戦するしたたかさも、10人でうまく対処する戦術的な懐の深さもない。

 ナポリは、76.64%と8割近い時間をミラン陣地でプレー。その様子は、まるでナポリの戦術練習のようだった。パスはよく回り、フィニッシュは何度でもやり直せる。

 そんな中でも、ミランが前半を無失点で終えたことは讃えられるべきことだろう。デ・シリオの退場につながったファウルによって与えたPKは、GKディエゴ・ロペスがセーブした。

 むしろ、完璧に引いて守るしかなくなったことがミランを勝ち点1に近づけたのかもしれない…などという、サッカー解説における“常套句”も考えながら迎えた後半、そのような理想論はもろくも崩れ去った。

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