攻撃に時間のかかった前半
9月に行われる連戦において、日本代表の主なテーマは守備の再整備、そして既存の選手と新戦力の融合であろう。そういう意味では、ある程度“テスト”も必要だ。
6日のグアテマラ戦はテストの意味合いが強かった。10日に対戦するガーナの方が強いことを考えれば、グアテマラでテストし、強豪国とのシミュレーションの場としてガーナと戦うことは理に適っている。
スターティングメンバーを見ても、それは明らかだ。本田圭佑や内田篤人、今野泰幸、川島永嗣らをベンチにおき、前回に1トップとして起用した柿谷曜一朗も先発を外れた。東アジア杯で2得点の大迫勇也を1トップ、センターバックは吉田麻也と森重真人のコンビだった。
前半を総合的に見ると、ポジティブな内容とは言えないだろう。攻め手のないグアテマラに対し、ボールを保持し、チャンスをつくりかけるが、決定的な場面は少ない。せっかく高い位置でボールを奪っても、バイタルエリアで停滞。
中を固められると崩せず、サイドからの工夫のないクロス。エアバトルに強くないメンツでこれを繰り返すのは意味がない。
収穫はボランチの二人の動きが良かったこと。長谷部誠は移籍したことで気持ちが吹っ切れたのかダイナモとして積極的に前線の攻撃陣に絡んでいた。遠藤保仁はFWと連携してボールを必死に追い、ショートカウンターを可能にした。山口螢と青山敏弘の台頭が、良い刺激になったのだろう。
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