ワトフォード昇格の裏にイタリアあり!?
去る4月25日、イングランド・チャンピオンシップ(2部相当)のワトフォードがプレミアリーグ昇格を決めた。来季は8年ぶりにトップリーグを戦うことになる。
2007-08シーズンに降格してから6位、13位、16位、14位、11位と中位に低迷し、一昨季は3位でプレーオフに進出するも、昨季は再び定位置の13位に戻った。そんなクラブが1試合を残して2位以内を確定させ、自動昇格をつかみ取った。
彼らの躍進を支えた原動力は何だろうか。それはオーナーの存在だ。2012年にクラブを買収したジャンパオロ・ポッツォ氏は、明確なビジョンを持ってクラブ運営に携わる人物として知られ、ワトフォードだけでなく、イタリア・セリエAのウディネーゼとリーガ・エスパニョーラのグラナダを所有する。
インテルやミラン、ユベントス、ローマといったイタリアの巨人たちや、イングランドの金満クラブとは一線を画す方法で資金を生み出すサイクルを作り、いまのところすこぶる順調に成長を続けている。
ウディネーゼと聞いて思い浮かぶのは、やはり元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏だろう。1995年から1998年までチームを率いた名将は、1997-98シーズンにプロヴィンチャながらリーグ3位に導いた功績を評価されてミランに引き抜かれていった。
チームの躍進に大きく貢献したトマス・ヘルヴェグ、マルティン・ヨルゲンセン、オリバー・ビアホフといった選手たちは日本でもよく知られており、他にもアルゼンチン人、ガーナ人、フランス人、ベルギー人、エジプト人、モロッコ人など多くの外国籍選手が在籍していた。これだけ多国籍なチームは当時のイタリアでは非常に珍しい。