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Jリーグ 10年前

大久保もシュート0本。“J最強の攻撃”が沈黙した川崎。多摩川クラシコで再び輝くためには

5連勝を目指した川崎フロンターレだったが、結果は1-4と敗戦。柏レイソルを前に自分たちのスタイルを発揮できず、逆に次々とネットを揺らされた。

text by 青木務 photo by Getty Images

ビルドアップが困難なほど周囲の動きが少ない

大久保もシュート0本。“J最強の攻撃”が沈黙した川崎。多摩川クラシコで再び輝くためには
中村憲剛【写真:Getty Images】

 大久保嘉人のシュート数が、この日の川崎のパフォーマンスを物語っている。

 勝負の分かれ目は前半終盤だった。43分、中村憲剛のFKに谷口彰悟が滞空時間の長いジャンプからヘディングで決め、川崎が先制点を奪った。互いにボールを保持しながらゴールを目指すチームだが、前半はどちらかというと静かな時間が流れていた。そんな中でホームチームが均衡を破った。

 このままハーフタイムを迎えることができれば良かった。しかし、武富孝介にゴールを奪われて同点に追いつかれると、後半は失点を重ねた。立ち上がりに工藤壮人に決められ逆転を許すと、3点目はアーリークロスから再び工藤に合わせられ、カウンターからクリスティアーノにトドメを刺された。

 4失点はもちろん反省すべきで、川崎が抱える課題でもある。だがこの日は、守備以上に攻撃がチグハグだった。

「珍しくテンポが出なかったという一言に尽きる。自分たちでボールを動かして、相手を動かすことができなかった」とは風間八宏監督の言葉。また、最終ラインの角田誠はビルドアップが難しかったという。

「いつもはボールを持っている時に2、3個のパスコースはあるけど、今日は1つくらいしかなかった。相手の守備も良かったと思いますけど、こっちの動きも少なかった」

 柏はポゼッション主体のチームだ。これまでの相手とは異なり、川崎がボールを持てない時間帯も多かった。柏の実力を考慮してか、3バックでスタートする中で「後ろが重くなってしまった」と中村憲剛は振り返った。

 攻撃時にサイドに起点は作ることはできたが、それは川崎本来の攻撃の形ではない。パスは回ってもバイタルエリアに勝負の縦パスを入れることができない。相手のDFラインと中盤の間でボールを受ける動きも乏しく、距離感も良くなかった。

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