ACLで苦戦するWSW。2人の日本人も奮闘
今年のACLもグループリーグの最終戦を控え、日豪両国から参戦しているクラブの間では、次ラウンド進出を巡って悲喜こもごものドラマが見られる。
当然ながら、日本でACLの動向は日本勢中心で伝えられる。余程のマニアックなファンでない限りは、豪州勢の結果だけを気にするということはないだろう。今年のACLでは、豪州勢のウエスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)とブリスベン・ロアーのいずれも、鹿島、浦和というJクラブと同組に入ったことで、多少なりとも両クラブの動向が日本で伝えられる機会を得た。WSWに関して言えば、昨年までの小野伸二に続き、今年も高萩洋次郎、田中裕介という2人の日本人が所属していることで、日本のファンの関心を少なからず集めているに違いない。
さて、その豪州勢の現時点でのACLでの成績だが、10戦して3勝3分4敗。勝率は0.300。チーム数の違いもあって単純な比較は難しいが、4クラブが20戦で0.350という勝率の日本勢と遜色ない。両クラブのACLでの一連の戦いぶりを見ても、実力的に東アジアの強豪に充分に伍している。今年のACLでの日豪の対戦成績を見ても2勝1敗と勝ち越しており、2勝はいずれも豪州勢がアウェー(日本での試合)で挙げるなど健闘を見せる。
昨年は小野がラウンド16までチームを牽引、結果的にアジア王者の座まで駆け上がったWSWだが、今年は大苦戦。第5節(4月21日)のホームでの鹿島戦は、土壇場で試合をひっくり返されての惜敗。グループリーグ1試合を残して最下位に沈み、連覇に早くも黄信号が灯った。
高萩、田中の両名はここまでのACLの5試合に全て先発出場で奮闘しているが、クラブ始まって以来の低迷にあえいだAリーグのレギュラー・シーズンでの不調の影響は拭えず、チームに昨年のACLのような勢いは感じられない。5月5日の最終戦、アウェーでの広州恒大戦での勝利はマスト。さらには同時に行われる鹿島対FCソウル戦が引き分けにならない限り、ラウンド16進出には届かないというギリギリのところまで追いつめられてしまった。