苦悩の日々を過ごしたチチャリート
現地時間22日、チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝2ndレグ、レアル・マドリー対アトレティコ・マドリーの一戦が開催された。1stレグはスコアレスドローで終えた両チーム。続く2ndレグでは“勝ったチームが突破”という緊張感の中で、試合を決めたのは出場機会に飢えていたストライカーだった。
ハビエル・エルナンデス――。愛称は“チチャリート”、意味は「小さなエンドウ豆」。母国メキシコで偉大な実績を残した父親が、生まれた際に緑色の瞳をしていたことからついたニックネーム“チーチャロ”(エンドウ豆)に由来している。
彼のキャリアはメキシコの名門クラブでスタートした。チバス・グアダラハラで実績を残したチチャリートは世界屈指の名門クラブであるマンチェスター・ユナイテッドへとステップアップを果たす。サー・アレックス・ファーガソン監督(当時)のもと、類稀なる得点感覚でスーパーサブとして得点を量産。プレミアリーグ移籍後3シーズン連続で2桁得点を記録するなど、同監督から大きな信頼を得ていた。
しかし、2013/14シーズンにデイビッド・モイーズ監督が就任すると、ロングボール主体のスタイルに順応できず、シーズン4得点と得点力は鳴りを潜めた。マンチェスターでの生活に苦しんだチチャリートは、当時チームメイトだった香川真司(現・ドルトムント)とともにクラブを去る決断を下した。
苦悩するストライカーに目を付けたのが、マドリーだった。アルバロ・モラタをユベントスへと放出し、ストライカーの補強を検討していたマドリーは1年間の期限付き移籍でユナイテッドからチチャリートを獲得した。
だが、スペインでのプレーも決して楽なものではなかった。今季のリーグ戦では14試合で4得点(32節時点)。ベンゼマ、ベイル、C・ロナウドの“BBCトリオ”の牙城を崩せず、ベンチが定位置となっていた。