ミラン買収を企てるビー・テチャウボン氏【写真:Getty Images】
ミランの輝かしい歴史を作り上げてきたベルルスコーニ家による時代はもうすぐ終わりを迎えるのかもしれない。
伊紙『ラ・レプブリカ』が20日、タイ人実業家ビー・テチャウボン氏によるミラン買収の手続きが今週末に完了する見込みと報じた。
ミランを所有する持ち株会社フィニンベストとの最終交渉のため、“ミスターB”ことテチャウボン氏は26日にミラノ入りするという。そこで最後の署名や手続きが行われる模様だ。
テチャウボン氏はすでにミランの株式を20%保有し、1年以内に45%を買い増す計画で、合計65%を所有する筆頭株主になることですでに合意しているという。つまり来季末までには新オーナーが誕生するということだ。
今回の買収は総額10億ユーロ(約1280億円)に及ぶと見られ、シルヴィオ・ベルルスコーニ氏が現段階で売却を拒否すれば、約2500万ユーロ(約32億円)の違約金をテチャウボン氏に払わねばならないと『ラ・レプブリカ』紙は伝えている。
中国方面からは依然として買収オファーがあり、そちらがよりよい条件であればベルルスコーニ氏は違約金を支払ってでもタイ人実業家との合意を破棄する可能性もある。
また、テチャウボン氏による買収が完了しても現在CEOを務めるアドリアーノ・ガッリアーニ氏とバルバラ・ベルルスコーニ氏は当面留任する見込みで、テクニカル部門の責任者にはパオロ・マルディーニ氏を招へいするプランがあるという。
新監督候補にはフィオレンティーナのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督、サンプドリアのシニシャ・ミハイロビッチ監督、パルマのロベルト・ドナドーニ監督、そして今季限りでドルトムントを離れるユルゲン・クロップ監督といった名前が挙げられており、こちらにも注目が集まる。
果たしてミランはタイ人実業家とともに新たな道を歩み始めるのか、それとも中国人が持ち去るのか。今週末ベルルスコーニ氏が下す決断がクラブの未来すべてを握っている。
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