ヴォルフスブルクの中国代表MFチャン・ヒジェ【写真:Getty Images】
ヴォルフスブルクに所属する中国代表MFチャン・ヒジェが、シーズン中のチームを離脱して母国でスポンサーのPR活動に参加していたことがわかった。
20日の現地メディア『鳳凰网』によれば、チャンは上海で行われたモーターショーで、ヴォルフスブルクのメインスポンサーであるフィルクスワーゲン社のステージに登壇した。
クラブは今回の離脱について「チャンはヴォルフスブルク・サッカースクールの活動に招待された。選手と子供たちが交流することによっていい相互作用が生まれる。フォルクスワーゲングループは中国において多くの若者が抱く夢をサッカーで達成できるよう支援していく」とコメントしている。
ヴォルフスブルクは以前から中国市場を意識した活動を展開しており、北京、長春、上海の3ヶ所でサッカースクールを開講するなどしてきた。今回のPR活動もその一環と見られている。
一方、チャンは『鳳凰网』で「コーチングスタッフはこのイベント参加に同意していないので、間違いなくトレーニングに影響する」と漏らした。
冬の移籍市場でヴォルフスブルクに加わって以降、リーグ戦やELで全く出場機会のないチャンには「スポンサーのための移籍」と批判が集中していた。今回の一件はそれを証明することになってしまったが、本人はいたって冷静だ。
「この3ヶ月我慢してきて、あのことを思い出すのに時間はかからなかった。適応するのに時間は必要だが、僕の気持ちは準備できている」と語り、かつて1860ミュンヘンやエネルギー・コットブスでプレーし、北京国安でチームメイトだったシャオ・ジャイが手本になると述べている。
現在35歳のシャオは2002年に当時1部の1860ミュンヘンに加入するも、3シーズンは少ない出場機会しか与えられなかった。2005-06シーズンに2部ながら初めて20試合以上出場して翌シーズン1部のコットブスへ移籍する。
その後は徐々に出場機会を減らした時期もあったが、これまでドイツの1部と2部でプレーした11人の中国人の中で最も成功した選手と言える。1部では通算67試合に出場して4ゴールを挙げた。
イベント参加後すぐにドイツへ戻ったチャンだが、チーム内での立ち位置に影響するのは必至だ。北京国安の10番を背負い「アジア最高峰のタレント」と謳われた才能をドイツのピッチでも見せられるのか、それともスポンサーのPR活動でしかその姿を見られなくなってしまうのだろうか。
来季はCL出場のチャンスもあり、汚名返上のために猛アピールでチャンスをつかみたいところだ。
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