期待感の低いダービー
ビッグネームが出て行き、その後のチーム改革も進まず成績は低迷。事実上インテル、ミランともにどうやってシーズンを終えるかが目標となっている。そんな中で迎える31節のミラノダービーは「小さなダービー」だの「貧乏人のダービー」だのとファンやメディアには揶揄され、期待感は芳しくない。
とはいえ、ダービーはやはりダービーである。今回はインテルのホーム扱いとなるが、同クラブが発表したところでは前売りチケットは17日の時点ですでに71000席を突破したという。少なくとも試合開始時には、サン・シーロではスタンドの熱狂が保証されることになる。
概してダービーマッチとは、街の覇権を掛けて闘うプライドの激突である。低迷が続き、ヒステリックなブーイングをファンにさせるまでに落ち込んでいる両クラブにとって、信頼を回復させることのできる年内最後のチャンスとも言える。
インテルではファン・ジェズスが「インテルやミランが中位に低迷している屈辱は、この街に住んでいるものしか理解できない」と汚名返上を誓い、かたやミランでは2ヶ月間チームへの訪問を避けていたベルルスコーニ名誉会長がミラネッロを激励に訪れた。いかにその気持ちをパフォーマンスで表現できるかに注目したい。
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