問題があった柏の攻め方
現在Jリーグでは12ゴールを挙げ、ACLではこのアルシャバブ戦で4戦連続6ゴール目となる先制弾を叩き出した工藤壮人がいるため、柏に“決定力不足”という言葉を用いることは相応しくないのかもしれない。根本的な問題は“決定力不足”ではなく、決定的な場面を作り出せない攻め方にあるのではないだろうか。
黄色にスタンドを埋めたサポーターの後押しを受けて、柏は非常に良い試合の入りをした。中央、サイドとテンポ良く攻撃を仕掛け、アルシャバブを押し込み、21分にはセットプレーのこぼれ球から工藤が右足インサイドのハーフボレーを冷静に決めて先制した。
その後、アルシャバブの外国籍選手3人、フェルナンド・メネガッゾ、マクネリー・トーレス、ラフィーニャの個の力に苦しみ、立ち上がりの攻勢から一転して柏は劣勢に回ってしまう。
メネガッゾとトーレスには決定的なパスを出され、ラフィーニャには何度も右サイドを突破された。ついには44分、セットプレーのルーズボールをメネガッゾに叩き込まれ、同点に追い付かれる。
メネガッゾもトーレスも決して運動量が多いわけではないが、要所では効果的な動きを見せてマーカーを外し、味方からのパスを引き出していた。そして彼らが柏守備陣の背後狙う味方へ高精度のパスを供給してリズムを掴んだのに対し、柏の攻撃陣はパスを引き出す動きがあまりにも少なすぎた。
【次ページ】レアンドロの不調が招いた悪循環