大久保嘉人【写真:ダン・オロウィッツ】
明治安田生命J1リーグ1stステージ第5節が12日に行われ、川崎フロンターレは浦和レッズに1-1で引き分けた。
川崎のFW大久保嘉人は納得していなかった。前半は主導権を握り、味方が先制点を奪ったが、後半は浦和に押し込まれた。
守勢に回る中で、攻撃に転じても「ボールが出てこない」と振り返る。この日、自身が放ったシュートは1本に留まった。
川崎はボールを保持しながらチャンスを多く作り、勝利を掴むスタイルだ。しかし、それができなかった。「安パイに、安パイに行ってるから。俺も『怖くないな』って思いながらやってた」と、大久保は明かした。
ゴール前で常にチャンスを伺う大久保にとって、この日は勝負を仕掛けるパスが少なかったという。「あの守り方を崩したくなかったのはある」と話すように、リードを奪ってからのセーフティな戦いを否定しているわけではない。
それでも、ファーサイドで待っていてもそこにクロスは上がって来ず、そこにこぼれるようなシュートもこの日の川崎にはなかった。
「大胆に行かないと点は取れないよ。安パイに行ってまた戻してってやってたら、何のために俺はそこを常に狙ってやってるのか。何年も言い続けるけどね、逆サイドに打てよと」
こうやって大久保が語気を強めるのも、本来はそうした攻撃ができるからだ。
「『ここに出たら絶対に点入るな』というところに来るから。今日みたいな試合はそれがない」
川崎で2年連続得点王を獲得したストライカーは、悔しさを滲ませていた。
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